2022・2023年度日本経済見通し(2022年3月) (2021年10-12月期GDP2次速報後改定)

新家 義貴

最新の見通しは、2022・2023年度日本経済見通し(2022年5月)をご覧下さい。

要旨

日本・国内総生産(GDP)成長率予測値

2021年度予測  実質+2.3%  (前回 +2.4%)
          名目+1.1%  (前回 +1.3%)

2022年度予測  実質+2.2%  (前回 +2.8%)
          名目+1.7%  (前回 +2.9%)

2023年度予測  実質+1.3%  (前回 +1.4%)
          名目+2.4%  (前回 +2.1%)

※前回は2022年2月15日時点の弊社予測値

  • 実質GDP成長率の見通しは、21年度が+2.3%(22年2月時点予測:+2.4%)、22年度が+2.2%(同+2.8%)、23年度が+1.3%(同+1.4%)である。ウクライナ問題を受け、22年度の見通しを下方修正した。
  • 21年10-12月期は高成長となったものの、22年1-3月期は再び停滞感が強まり、小幅マイナス成長(前期比年率▲0.2%)に転じると予想。新型コロナウイルスの感染急拡大により人々の行動が慎重化したことで、サービスを中心に個人消費が減少することに加え、部品の供給制約により自動車で減産が実施されたことも下押し要因となる。
  • 感染が落ち着くことで4-6月期以降は再び景気が持ち直す可能性が高いが、ウクライナ問題が重石となる。資源輸入国である日本では、原油等、資源価格の高騰を通じた悪影響が大きい。既に原油価格をはじめとして資源価格は大幅に上昇しており、今後、輸入コストの大幅増加は避けられない。企業収益に大きな下押し圧力がかかるほか、生活必需品価格の上昇が、実質購買力の毀損やマインドの下押しを通じて個人消費の頭を押さえる。コロナ禍からの正常化に向けた回復の動きが続くことの影響が大きいため、こうした逆風のなかでも景気回復は持続すると予想するが、前回予測時点の想定と比べて成長ペースは抑制される。また、仮に今後、原油価格がさらに上昇し、それが長期化するようであれば、景気回復シナリオ自体の再検討を迫られる可能性があることに注意が必要。

日本経済予測総括表
日本経済予測総括表

図表 実質GDPの見通し(四半期別推移)
図表 実質GDPの見通し(四半期別推移)

【実質GDP成長率の予測(前期比年率、寄与度)】
【実質GDP成長率の予測(前期比年率、寄与度)】

新家 義貴


本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内容は、第一生命保険ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。

新家 義貴

しんけ よしき

経済調査部・シニアエグゼクティブエコノミスト
担当: 日本経済短期予測

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