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- 【1分解説】つながらない権利とは?
つながらない権利とは、労働者が勤務時間外や休日に、仕事上のメールや電話、チャットなどの連絡を拒否できる権利です。デジタルデバイスの普及やテレワークの浸透により、24時間仕事と切り離せない「常時接続」が心身の負担となる中、休息の質を確保し、メンタルヘルスを守るための重要な概念となっています。
2016年に世界に先駆けて法制化したフランスでは、50人以上の企業に対しルール策定を義務付けています。具体的な方法や範囲は労使協議に委ねられ、実情に応じた柔軟な運用が行われています。また欧州委員会は2024年4月、EU全域での「公正なテレワークルール」と「つながらない権利」の確立を目指し、労使団体との協議を開始しました。
日本では「テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン」で、時間外連絡のルールを就業規則などに明記することが推奨されています。厚生労働省の審議会(2025年10月)では、つながらない権利について事業実態に即したルールを労使で検討する必要性が示され、議論を促進するガイドライン策定も検討されています。
制度設計で難しいのは「どこまでを連絡の例外とするか」という線引きです。災害時の緊急対応や時差のある海外取引など、業務上不可欠な例外と労働者の休息権をどう両立させるかが今後の課題となります。
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この解説は2026年3月時点の情報に基づいたものです。
白石 香織
本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。

