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【1分解説】労働時間規制の緩和とは?

白石 香織

  音声解説

労働時間規制の緩和とは、働く人の健康確保を前提に、柔軟な働き方を可能にするため現行ルールの見直しを検討する動きです。2025年10月、高市首相は上野賢一郎・厚労相に「心身の健康維持と従業者の選択を前提にした労働時間規制の緩和の検討」を指示しました。上野厚労相は就任会見で、時間外労働の上限規制は過労死認定ラインを踏まえて検討し、具体案は労働政策審議会で議論すると述べています。

現行の労働基準法では、労働時間は1日8時間・週40時間と定められ、残業は労使協定の締結で認められています。2019年施行の働き方改革関連法により、罰則付きの上限は月45時間・年360時間となり、特別な事情があって労使が合意する場合でも、次をすべて満たす必要があります。

  • 時間外労働が年720時間以内

  • 時間外労働と休日労働の合計が単月100時間未満

  • 同合計の2~6か月平均が80時間以内

  • 月45時間を超えることができるのは年6か月が限度

なお、これらは罰則を伴う法的上限であり安全の目安ではなく、上限未満でも健康被害は起こり得るとの指摘もあります。

今後は労働政策審議会で、2019年から事業主の努力義務となっている「勤務間インターバル」や、EUで議論されている「つながらない権利」といった健康確保策と、労働時間規制の緩和をいかに両立していくかが論点になる見込みです。

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この解説は2025年11月時点の情報に基づいたものです。

白石 香織


本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。

白石 香織

しらいし かおり

総合調査部 マクロ環境調査G 主席研究員
専⾨分野: 労働政策、国際政策

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