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- 【1分解説】国民医療費とは?
国民医療費とは、医療機関等で保険診療の対象となり得る傷病の治療に要した費用を推計したものです。つまり、私たちの病気やけがの治療にかかった医療費の総額であり、医科・歯科診療費、薬剤費、調剤費、入院中の食事、訪問看護費などが含まれます。一方、正常な妊娠・分娩、健康診断、予防接種、差額ベッド代など、傷病の治療を直接の目的としない費用は含まれません。
国民医療費は増加を続けており、2023年度は約48.1兆円と過去最高を更新しました。「国民医療費の構造」(資料)をみると、財源別、診療種類別、年齢階級別などの切り口で体系的に整理されており、医療費の内訳や増加要因を多面的に把握できます。例えば、財源別では、国・地方の公費(税、国債)、被保険者と事業主が負担する社会保険料、患者の窓口負担等で構成され、概ね公費4:社会保険料5:患者負担1の割合です。年齢階級別では、65歳以上で約6割、75歳以上でみると約4割を占めています。
今後も高齢化の進展や医療の高度化に加え、医療資材の価格や人件費の上昇により、国民医療費は増加が見込まれます。社会保障審議会医療保険部会では、あるべき将来像を見据えた制度改革について、2025年末を目途に検討が進められています。国民の理解促進と制度の持続可能性確保の観点から、建設的な議論が期待されます。

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- 「国民医療費は過去最高の48兆円超に~医療費の地域差是正の鍵『病床数の適正化』で約2兆円削減も~」(2025年11月)
この解説は2025年11月時点の情報に基づいたものです。
谷口 智明
本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。