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- Well-being『介護を考えるときに押さえておきたいこと』
介護に関わる中で、「介護を行う・支援する人(介護者)」と「介護を必要とする人(要介護者)」との意識の違いを感じることがあります。例えば、介護者からは「必要なサポート」と思うものも、要介護者は「一人でできるから」と拒むような場面などで、そのような印象を受けます。
介護を必要とする人の状態は多様
介護が必要となるきっかけは、「認知症」や「脳血管疾患(脳卒中)」「骨折・転倒」などがあります。認知症は、さまざまな病気によって、脳の神経細胞の働きが徐々に変化し、認知機能(記憶、判断力など)が低下していき、社会生活にも支障が出てきます。また、加齢による体の変化で、筋力だけでなく視力や聴力の低下などにより、日常生活に支障が出ることもあります。社会生活や日常生活をどのように送りたいかは、本人の状態や生活背景によっても異なるため、必要となる介護の内容も個人ごとに異なってきます。
介護の内容もさまざま
介護の現場では、生活を継続できるように、本人の今ある能力を活かしながらサポートを行います。必要となる介護は、その人の状態によって異なりますが、食事・入浴・排泄の介助に加えて、調理・掃除・洗濯などの家事支援、外出時の付き添いや見守りなど多岐にわたります。自宅の階段に手すりを付ける、介護用ベッドをレンタルするなども介護といえるでしょう。介護用ベッドと聞くと寝たきりの状態をイメージする方もいますが、歩行や食事は支障なく行えていても、筋力低下によって布団からの立ち上がりが難しくなり、介護用ベッドに変更するケースもあります。また、介護サービスには、自宅で受けるもの、施設に通って受けるもの、施設に入所して受けるものなどさまざまな形態があります。
介護予防
本人の今ある能力を活かしながら介護を受けることは、要介護の状態となっても悪化を防ぎ、改善を目指す取り組みにつながることから、介護予防ともいえます。また、要介護状態になる時期をできるだけ遅らせるための予防も必要です。介護のきっかけとなる病気の予防、筋力低下に対する運動、栄養バランスの取れた食事など、加齢に伴う日常生活の適応が大切となってきます。
「介護のある日常」イメージづくりのすすめ
「介護保険制度」や、育児・介護休業法等に基づく「仕事と介護の両立支援制度」など、介護に関する支援策も整備されてきています。しかし、介護は日常生活の中で行われます。介護保険サービスを利用するには要介護認定が必要ですが、要介護認定を受けていない、もしくは非該当となった場合でも、日常生活の中でサポートが必要な場面はあります。介護の始まりは、「重いものを代わりに買いに行く」という家事支援かもしれませんし、「通販を利用できる環境を整えておく」ということかもしれません。要介護者の中には、「なるべく人の助けを借りたくない」と思う方もいます。そのため、状態や状況に合わせた介護サービスを選択する際、情報を得ることに加え、介護のある生活をイメージしておくことも大切です。地域包括支援センターでは、ホームページやパンフレット、相談窓口などで具体的な介護サービスの情報を得ることができます。
介護が必要となるきっかけも必要とする介護の内容も人それぞれです。年齢的な身体の変化に応じて、今ある能力を活かす、維持するために、生活を適応していく視点も踏まえて介護を捉えると、介護者、要介護者ともに介護の受け入れもしやすいかと思います。
田中 三枝
本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内容は、第一生命保険ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。