【1分解説】給付付き税額控除とは?

新家 義貴

  音声解説

給付付き税額控除は、所得税の減税と現金給付を組み合わせた仕組みです。たとえば10万円の減税を実施する場合、従来型の減税では、所得が少なく納税額が3万円の人は負担軽減額が3万円にとどまり、恩恵を十分に受けられません。一方、給付付き税額控除では、3万円の減税を行った上で、不足分である7万円は現金で給付されます。このように、従来の減税や給付よりも低・中所得者層に支援が届きやすい政策手法として注目されています。また、給付付き税額控除は、給付額を段階的に調整することで低所得者や子育て世帯への給付を手厚くするなど、柔軟な制度設計が可能といった利点もあります。財源が限られるなか、的を絞った形での支援が可能となり、効果的な所得再分配を行う上で有用との見方が多く、将来的な導入に向けての議論が進み始めています。

給付付き税額控除の運用にあたっては所得を正確に把握することが前提となります。給与所得については比較的正確な把握が可能ですが、金融所得や不動産所得、事業所得などの把握が難しいとされています。また、一律の給付や減税と比べて制度が複雑になりやすいことに加え、給付付き税額控除を景気対策として実施する場合には財源の確保も問題となります。こうした多くの課題についても冷静な議論を行うことが必要です。

この解説は2025年10月時点の情報に基づいたものです。

新家 義貴


本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。

新家 義貴

しんけ よしき

経済調査部・シニアエグゼクティブエコノミスト
担当: 日本経済短期予測

執筆者の最近のレポート

関連テーマのレポート

関連テーマ