2026年1-3月期GDP予測(最終版)

~前期比年率+1.7%のプラス成長を予想も、先行きの下振れリスクは大きい~

新家 義貴

5月19日に公表される26年1-3月期の実質GDP成長率を前期比年率+1.7%(前期比+0.4%)と予測する。4月30日の段階では前期比年率+2.0%(前期比+0.5%)と予想していたが、その後公表された経済指標の結果を反映し、予測値をやや下方修正する。

本日公表された26年3月分の国際収支統計の結果を反映し、26年1-3月期の実質輸出を前期比+1.3%(従来予測値:同+0.9%)、実質輸入を前期比+0.5%(従来予測値:同▲0.1%)と予測する。筆者の3月分の想定と比べて財輸出、サービス輸入がそれぞれ上振れたことが主因である。輸出入とも上方修正だが、輸入の上方修正度合いの方が大きいことから、外需の予測値を前期比年率寄与度+0.6%Pt(従来予測値:同+0.7%Pt)へとわずかに下方修正している。

そのほか、3月分の家計調査と家計消費状況調査の結果も反映し、個人消費の予測値も前期比+0.1%(従来予測値:同+0.2%)に小幅下方修正した。筆者の3月分の想定と比べて耐久財消費、半耐久財消費が下振れたことが影響している。


これらを踏まえ、26年1-3月期の実質GDP成長率を前期比年率+1.7%(従来予測値:+2.0%)と予測する。個人消費や設備投資が小幅とはいえプラスを保ったとみられることに加え、公共投資もはっきり増加するなど、内需は底堅く推移した可能性が高い。外需についても、アジア向け輸出の増加や米国向け自動車輸出の持ち直し等で輸出が増加に転じるなど、成長率の押し上げ要因になったとみられる。このように、1-3月期は内外需とも底堅く推移したとみられ、潜在成長率を上回る成長が実現した可能性が高い。イラン情勢の悪化については、3月の中東向け輸出が急減したほか、消費者マインドの悪化などが3月時点で確認できるが、1-3月期の成長率への影響は小さなものにとどまった可能性が高い。

もっとも、先行きはイラン情勢悪化の悪影響が顕在化することが予想される。消費者マインドが足元で大きく悪化していることが次第に消費の伸びを抑える可能性があることに加え、調達難による生産活動の下押しも生じるとみられる。一部の品目では調達難による受注制限や納期の遅れ、価格上昇や減産といった動きが生じており、生産活動を中心に景気を下押しするだろう。現時点では4-6月期の成長率はゼロ近傍の低成長にとどまるとみているが、今後の展開次第ではマイナス成長も視野に入る。当面、下振れリスクが大きい状況が続くだろう。

図表
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新家 義貴


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新家 義貴

しんけ よしき

経済調査部・シニアエグゼクティブエコノミスト
担当: 日本経済短期予測

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