【1分解説】経済・財政新生計画とは?

谷口 智明

  音声解説

経済・財政新生計画とは、「経済財政運営と改革の基本方針2024(骨太方針2024)」で示された、2030年度までの6年間を対象とする新たな経済財政政策です。「経済あっての財政」との考え方の下、財政健全化については、フローの目標として「2025年度の国・地方を合わせたPB(プライマリーバランス)黒字化を目指す」ことが3年ぶりに明記されました。またストックの目標では、引き続き「債務残高対GDP比の安定的な引下げを目指す」としています。

しかし、内閣府の「中長期の経済財政に関する試算」(2024年1月)によると、経済成長率が比較的高い前提の成長実現ケースでも2025年度のPBは1.1兆円の赤字となり、これまでの歳出削減努力を継続すれば黒字化も視野に入るとの玉虫色の見通しです。さらに本計画では、2026年度以降について「取組の進捗・成果を後戻りさせない」との曖昧な表現に留まり、新たなフロー目標等は記されていません。

今後、高齢化に伴う社会保障費の増加に加え、金融政策が正常化し「金利のある世界」に移行することで、政府債務の利払費の増加も懸念されます。PBの黒字を安定的に継続しつつ、利払費もカバーすることが重要であり、本計画がわが国の経済成長と財政健全化の両立、経済社会の持続可能性向上に資するよう、政府の政策運営に期待します。

この解説は2024年7月時点の情報に基づいたものです。

谷口 智明


本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。

谷口 智明

たにぐち ともあき

政策調査部 フェロー
専⾨分野: 社会保障、資産形成・運用

執筆者の最近のレポート

関連テーマのレポート

関連テーマ