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夏と言えばプール。しかし今、学校のプールが減っています。「我が国の体育・スポーツ施設― 体育・スポーツ施設現況調査報告 ―」(スポーツ庁、2023年3月)によると、小学校1校あたりの水泳プールの数は2018年には0.96個であったのに、2021年には0.89個となっています。つまり、全体の1割以上の小学校にはプールがないのです。中学校や高等学校等についても、同じような傾向が見られます。今はもっと減っているかもしれません。
一昔前までは、学校にはプールが付きものでした。都市部の小中学校では、プールに蓋をして運動場の一部として使えるようにしたり、屋上にプールを造ったりなど、無理をしてでもプールを備えるといった感じの学校も多かったように思います。先の数値を見ても、2018年にはほとんどの小学校にプールがあったであろうことがわかり、近年急速にプールが減っていることがわかります。
学校のプールが減っている理由としては、様々なことが考えられます。使える期間が限られる(しかもその大部分が夏休みである)こと、水道代や浄化装置などの維持費、施設の老朽化、水泳の指導には安全性の問題から多くの人が監視する必要があることなどです。コロナ禍の影響もあります。
指導時の危険の高さは否めないところですが、水泳は全身運動として優れたもので、子どものうちに水泳を覚えておくと一生の財産になります。また危険だからこそ指導が必要という考え方もできるでしょう。さらに、スポーツとしての水泳とは別に、衣服を着たまま水に入った時の感覚や対処法を学ぶ「着衣泳」の授業も、多くの学校で行われるようになっています。着衣泳は水の事故対策として有用であり、また通常の水泳とは異なる要素もあるので、大人でも未経験の人であれば学ぶ意義はありそうです。
プールのない学校でも、複数の学校でプールを共用化したり、公共・民間のプールを使用したりといった形で、水泳の授業を続けているところもあるそうです。学校関係者の負担は考慮しなければなりませんが、学校教育において水に触れる授業が広く行われ続けることを望んでやみません。
重原 正明
本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内容は、第一生命保険ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。

