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ウォーシュ議長がFOMC開催回数の削減を検討

~年8回から6回への削減が有力か~

前田 和馬

7月31日、ニューヨーク・タイムズはウォーシュFRB議長がFOMC開催回数の削減を検討していると報じた。ウォーシュ議長は7月FOMC(28~29日開催)においてこうした考えを示し、早ければ9月FOMC以前に何らかの決定を下す可能性を示唆した。なお、FRBのホームページ上では2028年1月までのFOMC日程が既に公表されているものの、同日程に関しては「直前の会合で確定されるまで暫定的」との注記がある。

1935年銀行法ではFOMCを少なくとも年4回開催することが義務付けられている。FOMCは1981年に現在の年8回開催へと移行しており、必要に応じて臨時会合が招集される(例えば2020年3月のコロナ初期など)。また、それ以前は月1回程度のペースで開催されていたことが多く、1970年代の平均開催回数は年12.5回であった。なお、ウォーシュ議長は4月の公聴会において、開催回数の変更を巡り「(法定義務の)年4回では不十分」と述べている。

このため、FOMC開催回数が変更される場合には年6回、すなわち2か月に1回の開催が一つの目安となるだろう。また、ウォーシュ議長は7月FOMC後の記者会見で「年内は会合後の記者会見を続ける」と述べたほか、FRB改革を見据えた5つのタスクフォースの結論も年末までにまとまる予定だ。これらを踏まえると、FOMC開催回数の変更に関しても、その他のコミュニケーション改革と同様に2027年から実施される可能性がある。

ウォーシュ議長はフォワードガイダンスの廃止を中心にFRBからの情報発信を減らす方針を示しており、FOMC開催回数の削減もこうした改革の一環とみられる。一方、「政策決定の機動性が損なわれる」との懸念も生じるが、会合間における金融市場の自律的な調整(例えば7月FOMC後の記者会見では長期金利上昇による金融引き締め効果を示唆)、或いは必要に応じた臨時会合の活用を通じて、ウォーシュ議長はこうした課題に対応可能と考えている可能性がある。ただ、臨時会合はその開催自体が「FRBは後手に回っている(ビハインド・ザ・カーブ)」との懸念を想起しやすいリスクがある。

また、FOMC開催回数の変更に際して注目されるのは「ドットチャートを含む四半期経済見通し(SEP)」との兼ね合いだ。SEPは現状3・6・9・12月に公表される一方、例えばFOMCが奇数月か偶数月の開催となる場合、これを等間隔で年4回公表することはできない。このため、FRBはSEPの公表そのものをとりやめる、或いは2007年以前のように、半年に1回公表される「Monetary Policy Report(FRB議長の議会証言前に公表。通常は2月と7月)」に付随したかたちで経済・物価見通しを公表する可能性がある。また、ウォーシュ議長はドットチャートそのものに否定的とみられるため、仮に経済見通しが半年に1回の公表となっても、従来通り金利見通しが含まれるかは不透明だ。

以 上

前田 和馬


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前田 和馬

まえだ かずま

経済調査部 主席エコノミスト
担当: 米国経済、世界経済、経済構造分析

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