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2026.05.29
日本経済
金融政策・日銀
物価
都区部版・日銀基調的インフレ率の試算(2026/05)
~依然として緩やかな縮小傾向にある~
星野 卓也

緩やかな縮小傾向:弱い実際インフレと強い期待インフレの構図続く
以前のレポートで試算した①東京都区部版の基調的インフレ率3指標、②日銀が賃金から物価への波及度合いを分析する際に利用した低変動品目CPIについて、5月都区部CPIを用いて計算した。
計算値をみると、刈込平均値(全国ウェイト換算)は4月:+1.8%→5月:+1.7%、加重中央値(全国ウェイト換算)は4月:+0.9%→5月:+1.1%、最頻値は4月:+1.3%→5月:+1.1%(いずれも前年比)となった。また、全国版の低変動品目CPIは3月:+1.3%→4月:+1.1%、都区部では4月:+1.4%→5月:+1.4%となった。
方向感はまちまちだが、伸び率縮小指標がやや優勢。これらの分布形指標群は緩やかな縮小傾向にあるとみられる。今後は原油高の波及が広範な品目に物価上昇圧力をもたらすことが予想されるが、それを除いた物価の趨勢にさほど強さがあるわけではない。他方、上昇が目立つのは期待インフレ率であり、「弱い実際インフレ率と強い期待インフレ率」の構図が続いている状況だ。強い期待インフレ率は高市政権のマクロ経済政策スタンスの予想に根差している部分も大きいと考えられ、近日示される骨太方針、「責任ある積極財政」の方向性も期待インフレ率を通じて日銀の利上げスタンスに影響を及ぼしそうだ。

(参考文献)
星野(2023)「東京都区部版・日銀基調的インフレ率の試算」第一生命経済研究所 Economic Trends
星野(2024)「日銀の「第二の力」指標を再現してみた」第一生命経済研究所 Economic Trends
川本・中浜・法眼(2015)「消費者物価コア指標とその特性 — 景気変動との関係を中心に —」日銀レビュー・シリーズ、15-J-11
白塚(2015)「消費者物価コア指標のパフォーマンスについて」日銀レビュー・シリーズ、15-J-12
尾崎・神保・八木・吉井(2024)「賃金・物価の相互連関を巡る最近の状況について」日銀レビュー 2024-J-2
星野 卓也
本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一ライフ資産運用経済研究所が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内容は、第一生命保険ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。
- 星野 卓也
ほしの たくや
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経済調査部 主席エコノミスト
担当: 日本経済、財政、社会保障、労働諸制度の分析、予測
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