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RBNZ次期総裁はスウェーデン中銀第1副総裁のブレマン氏に

~経験は充分も、政府の圧力が強まるなかで独立性と信任回復が急務、NZドルは上値の重い展開か~

西濵 徹

要旨
  • ニュージーランドのウィリス財務相は、ニュージーランド準備銀行(RBNZ)の次期総裁にスウェーデン中銀のアンナ・ブレマン第1副総裁を指名した。ブレマン氏は12月1日付で就任予定であり、RBNZ初の女性、かつ外国人総裁となる。今年3月のオア前総裁の電撃退任を受けた後任人事が固まったことになる。

  • ブレマン氏は国際機関や政府、スウェーデン中銀での経歴を有するほか、世界的な公募で約300人の候補から選ばれた。就任に伴いホークスビー現総裁は退任し、12月から政策委員会の体制は大幅に刷新される。次期総裁には、景気低迷と政治介入の懸念のなか、中銀の独立性と信頼回復が求められる。

  • 足元では景気失速が確認されるなか、金融市場ではRBNZによる大幅利下げ観測が強まっている。ブレマン次期体制の発足までに2回の定例会合が予定されており、当面のNZドル相場は大幅利下げ観測を反映して上値の重い展開が続く可能性が高いと見込まれる。

ニュージーランドのウィリス財務相は24日、ニュージーランド準備銀行(RBNZ)の次期総裁にアンナ・ブレマン氏を指名したことを明らかにした。RBNZ総裁を巡っては、今年3月にオア前総裁が突如、任期途中での辞任を発表した(注1)。その後、副総裁であったホークスビー総裁が総裁代行を務めるとともに、翌4月には同氏が6ヶ月の任期で総裁に昇格したが、任期が最大3ヶ月延長される可能性が示されるなど、後任人事が難航している様子がうかがえた。さらに、その後の情報公開によって、オア氏が電撃辞任に動いた背景には、政府がRBNZの事業予算を大幅に削減する方針を示したことに対する反発があったことなどが明らかにされた(注2)。こうしたことから、政府がRBNZの政策運営に対する圧力を強めている様子がうかがわれるなか、後任人事の行方が注目されていた。他方、ホークスビー総裁の下でRBNZは金融緩和を継続しているものの、同国景気はすでに失速している様子が確認されており(注3)、ブレマン次期総裁は厳しい経済環境の下で船出を迎えることとなる。

ブレマン氏はスウェーデン中央銀行の第1副総裁を務めており、世界銀行でのインターンやコンサルタントを務めたほか、民間銀行や財務省を経て同行(スウェーデン中銀)に転じ、チーフエコノミストなどを歴任した。その後、2019年に副総裁に昇格したほか、2022年から第1副総裁を務めている。同氏は12月1日付でRBNZ総裁に就任予定であり、女性として同行初の総裁となるほか、現体制の下で初めての外国人総裁となる。ウィリス財務相は人事の公表に際して、300人を超える候補者から同氏が選ばれたことを明らかにしており、オア氏の電撃辞任を受けて世界中から後任総裁の候補者を公募した模様である。なお、ブレマン氏の就任を受けて、現在総裁を務めるホークスビー氏は金融政策委員会から退くとともに、RBNZを離れる模様である。よって、12月から始まる新体制の下でRBNZの金融政策委員会の顔ぶれが大幅に刷新されることになる。

なお、RBNZはホークスビー現体制の下で10月と11月に定例の金融政策委員会の開催を予定しており、上述したように足元の景気が失速している状況を受けて、金融市場は大幅利下げに動くとの観測を強めている。他方、一昨年の総選挙を経て誕生した国民党のラクソン政権は、発足直後に行った法改正で権限付託の縮小に動くとともに、上述したように事業予算の大幅削減に動くなどRBNZの政策運営に対する関与を強めてきた経緯がある。よって、ブレマン次期総裁の下では、中銀の独立性を維持しつつ、景気低迷を受けて低下したRBNZに対する信任の立て直しを図ることが迫られている。足元のNZドル相場を巡っては、金融市場では米ドル安圧力が掛かりやすい状況にもかかわらず、RBNZによる大幅利下げが意識されていることを反映して軟調な展開が続いている。先行きについても、当面は大幅利下げに動く可能性が意識されるなかで上値の重い動きをみせる状況が続くと見込まれる。

図表1
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以 上

西濵 徹


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西濵 徹

にしはま とおる

経済調査部 主席エコノミスト
担当: アジア、中東、アフリカ、ロシア、中南米など新興国のマクロ経済・政治分析

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