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2025.08.01
世界経済
経済理論
世界経済全般
トランプ政権
トランプ関税
米国の鉄鋼関税は貿易フローをどう変えるのか?
~GSIMで考える分野別関税の影響~
阿原 健一郎
- 要旨
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- 米国の関税政策によって日本の輸出がどう変化するかは、米国と合意した15%の相互関税だけではなく、各国と米国の合意がどのように着地するかに依存する。米国による関税の変更は、貿易フローにさまざまな変化を生み、各国の輸出や生産が受ける影響は複雑なものになる。
- 本稿では鉄鋼関税を例に分析した。GSIMによる試算では、6月4日発効の鉄鋼関税の引き上げにより、鉄鋼(72類)は、カナダが2023年生産額対比▲35.2%、南米が同▲18.4%、日本が同▲3.2%減少し、鉄鋼製品(73類)は、メキシコが同▲21.6%、カナダが同▲18.9%、日本が同▲8.5%減少する。対米輸出が減少するものの、自国向けの出荷や、中国やASEAN、NIEs等への輸出の切り替えが、関税引き上げの影響を一部緩和する。
- 分野別関税の影響は、各国の輸出実績のみならず、代替性などの品目の特性にも依存する。引き続き、トランプ政権が分野別関税の強化・拡大を図るのであれば、品目レベルのデータに基づく分析が重要になってくるだろう。
複雑な影響を及ぼす関税の引き上げ
米国の相互関税が発動される。4月3日に発表され、世界経済に衝撃を与えた相互関税は、各国共通の10%の追加関税はそのまま適用されたものの、各国ごとの上乗せ部分は一時停止の状態が続いていた。8月1日を期限に新税率が適用されるとあって、各国は適用開始前に少しでも有利な条件で合意を取り付けようと交渉を続けてきた。日本は7月23日、相互関税を25%から15%に引き下げることで合意している。併せて、日本経済を大きく下押しすると見られた自動車・同部品の追加関税も、4月から適用されている追加関税の25%を12.5%に引き下げることで合意し、当初に想定されていた最悪のシナリオは回避した。その代わりに、日本側からは、最大5,500億ドル(約80兆円)規模の投資を行うほか、農産品や防衛装備品の輸入の拡大を約束したとされているが、詳細までは認識が擦りあっていない様子も報じられており、不確実性が残る状態が続いている。
25%で発動予定だった関税が15%に引き下げられたことは、日本経済にとって好ましいが、今後その影響がどのように表れるのかはよくわからない。約80兆円にのぼる対米投資や輸入拡大の影響もそうだが、関税の変更による輸出への影響だけを考えても、実際に輸出がどう減少するのか(はたまた増加するのか)予測することは非常に難しい。というのも、日本の相互関税は15%で固まったが、日本の輸出の増減は米国との関税だけでなく、米国と他国間の関税が最終的にどう着地するかにも依存するからである。ここで、シンプルな例を用いて、関税の変更によって貿易フローにどのような変化が生じるか考えてみたい。図表1は、関税の引き上げ前後で、各国の輸出や生産にどのような変化が生じるかイメージしたものである。今、米国がA国とB国からある財を無関税で輸入していたが(左図)、ある日からA国に30%、B国に10%の関税を課すように変更したとする(右図)。そのような場合に起こる変化として、まず、A国の対米輸出が減少することが考えられる。これは直感的に明らかなように、基本的に関税の引き上げ分は米国の輸入業者が支払うことになるため、①「関税の引き上げにより米国内で輸入財の価格が上昇し、需要が減少する」からである。一方、B国の対米輸出が減少するかというと、これは簡単にはわからない。B国も新たに10%の関税を課されており、①の影響で対米輸出は減少方向に働くが、A国よりも課されている関税率が低く、B国の輸入財は②「他国対比で価格が相対的に安くなるため、需要が増加する効果(代替効果)」も働くからである。B国の対米輸出は①と②のどちらの影響が大きいかによって、減少にも増加にもなりえる。また、米国自身では③「国産品の国内需要が増加する」可能性がある。これも米国内でA国、B国の輸入財の価格が上昇するため、今まで輸出に回していた国産品を国内消費に振り分ける、輸入を国内生産に切り替える等の自国向けの出荷につながる。最後に、関税を課された国が④「米国以外の国への輸出を増加させる」可能性も考えられる。これは①で減少した米国への輸出分を、関税の低い他国の輸出に振り替える動きである。
以上のように、関税が引き上げられることで、各国の企業が合理的に行動するもとでは、各国の生産や貿易フローに様々な変化が起きると考えられる。図表1では、米国を含めた4か国のイメージで考えたが、実際の国の数や変更される関税率の大小関係なども考えだすと、かなり複雑な変化になることは容易に想像できるだろう。

今年1月にトランプ政権が発足して以降、自動車関税の引き上げや相互関税が世界経済に与える影響を試算してきた(過去の試算は、「米国の自動車関税による世界経済への影響」や「トランプ関税による各国経済・金融市場への影響」等を参照されたい)。ただ、いずれの試算も、「関税の引き上げで減少した輸出(各国の生産)が世界経済にどう波及するのか」に焦点を当てており、そもそもの「関税の引き上げでどれぐらい輸出や生産が減少するのか」については、詳細に分析していたわけではない。具体的には、他国との関税率の大小関係(図表1の②)や米国の国産品の国内需要の増加(図表1の③)、米国以外の国への輸出の振り替え(図表1の④)は考慮せず、関税が引き上げられて輸出が減少する影響(図表1の①)のみを取り出し、過去のデータからどれぐらい輸出が減少するのか概算する、あるいは、輸出の価格弾力性を-1(関税の引き上げと同率で価格が上昇し、輸出が減少する)と仮定して試算を行っていた。もちろん、この試算方法に問題があるというわけではない。経済ショックがどれほど大きくなるかわからないが、その影響(例えば、実質GDPへの影響)をいち早く把握しておきたい場合など、一定の前提に基づいた値を便宜的に経済ショックとして想定して分析することは、実務上でよく採用される方法である。特に、後者の「輸出の価格弾力性を-1とする」仮定は、関税が輸出に与える平均的な影響として、分析を簡便化するためにしばしば用いられている。
ただ、今回のトランプ政権の一連の関税政策は、各国の米国との合意内容によっては、各国間で課される関税率に差が生じ、代替効果(図表1の②)が大きくなる可能性がある。また、トランプ政権は相互関税に加えて、分野別の関税措置も強化し、これを戦略的な交渉手段として用いている。「輸出の価格弾力性=-1」はあくまで輸出品目全体の平均的な弾性値と捉えるべきであり、分野別関税の対象となる品目によっては、価格変化が輸出に与える影響も大きく異なることも考えられる。そこで本稿では、品目レベルでの関税の引き上げの影響を定量的に考えてみたい。具体的には、世界貿易の約3.5%を占め、早期に関税の引き上げが実施された鉄鋼を例に、関税の引き上げが各国の生産(輸出と国内向け出荷)に与える影響を分析する。
鉄鋼関税の状況
まず、分析に移る前に、そもそもの鉄鋼関税の経緯を振り返っておきたい。米国の鉄鋼関税政策は、2018年3月に第一次トランプ政権が1962年通商拡大法232条(セクション232条)を根拠として、鉄鋼製品に25%、アルミニウム製品に10%の追加関税を課したことに端を発する。同措置は、鉄鋼・アルミニウムの過剰生産能力、特に中国の行動が世界市場を歪め、米国の国内産業を脅かしているという「国家安全保障上の脅威」を理由に導入され、「アメリカ・ファースト」政策の象徴的な施策として位置づけられた。導入当初は、安全保障上の重要性や通商関係を考慮し、カナダ、メキシコ、EUなど一部の国・地域に対する適用除外、米国内で十分に供給できない特定製品への製品別適用除外などの例外措置が設けられていた。しかし、同年6月に適用範囲が拡大され、カナダ、メキシコ、EUなども追加関税の対象になると、主要貿易相手国は強く反発し、WTOへの提訴、米国製品への報復関税実施などの対抗措置を講じることとなった。
2021年に発足したバイデン政権は、基本的にセクション232関税を継続する方針を採ったが、同盟国との関係修復を重視し、鉄鋼25%、アルミニウム10%の関税率を維持しつつ、適用除外制度をより柔軟に運用する政策調整を実施した。具体的には、カナダ、メキシコは基本的に適用除外としたほか、日本やEU、韓国等には一定数量まで追加関税なしで輸出が可能な「関税割当」を適用した。
そして、2025年1月に発足した第二次トランプ政権は、鉄鋼関税政策を再び強化・拡大している。2月10日、トランプ大統領はすべての国を対象に鉄鋼・アルミニウム輸入品に25%の関税を課すと発表し(3月12日発効)、バイデン政権下での適用除外措置を原則廃止した。さらに、290品目の鉄鋼・アルミ派生製品を新たに追加課税の対象とし、広範囲な製品に適用を拡大した。そして6月3日には、追加関税率を25%から50%に引き上げる大統領布告を発表し、鉄鋼・アルミニウム製品ともに50%の追加関税を課した。
前述の通り、昨日を期限に相互関税を巡る米国との協議が各国で続いていたが、鉄鋼関税に関してはあまり動きが見られない。執筆時点では、英国、ベトナム、インドネシア、フィリピン、日本、EU、韓国の7か国・地域が合意に至っているが、鉄鋼関税については英国が追加関税率を25%に維持すると規定されたのみで、その他の国・地域は50%に引き上げられたままとなっている。
鉄鋼関税の対象となっている品目は、HSコード72類の「鉄鋼」と73類の「鉄鋼製品」に大別できる。72類の鉄鋼は鉄鋼素材(棒鋼、鋼板、フラットロール製品など)、73類の鉄鋼製品は72類を加工した製品(鉄パイプ、ネジ、ドラム缶など)であり、金額ベースで合算すると、米国は世界全体の約10%を輸入している。各国・地域の輸出実績を確認すると、世界全体への輸出はEUや中国が約50%程度を占めるが(図表2)、米国向けとなると、カナダやメキシコ、NIEsなども多く輸出していることがわかる(図表3)。バイデン政権時には適用除外を受けていたこれらの国々も、今回の追加関税率の引き上げ対象となっていることから、貿易フローにも相応のインパクトがあると考えられる。

品目レベルの分析に適したGSIM
関税の引き上げと各国の輸出入の関係を定量的に分析するには、多国間の貿易を表現したモデルとデータが必要になる。国際貿易を分析するモデルとして一般的に思いつくのはGTAP(Global Trade Analysis Project)である。GTAPは応用一般均衡モデルに分類され、関税も含めたさまざまな経済政策を包括的に分析できる一方、計算が複雑になるため分析に相応のコストがかかることや、データは60以上の産業に分類されているものの、トランプ政権が分野別関税で課税対象とするような品目レベルでの分析が難しい等の課題がある(注1)。そこで本稿では、Francois(2009)やFrancois and Hall (2009)で提示されたGSIM(Global Simulation Model)を用いて分析を行う。GSIMは部分均衡モデルに分類され、特定の財や産業単位での分析に限定されるものの、関税変更や補助金などが貿易フローに与える影響を比較的シンプルな構造で簡便に推計できる(注2)。また、シンプルなモデルであるがゆえに、計算過程を追って確認することができ、推計結果の全容も把握しやすいというメリットがある。
GSIMの構造を簡潔に述べると、予め用意しておいた、貿易データ、需要の価格弾力性(輸入財の国内価格が1%上昇すると需要は何%減少するのか)、供給の価格弾力性(財の国際価格が1%低下すると供給は何%減少するのか)、代替の価格弾力性(ある国の輸入財の価格が1%上昇すると他国の輸入財の需要は何%増加するのか)の情報を使って、関税を変更した場合に、各国の需要と供給が釣り合うような新しい国際価格、輸出入を計算するというものである(モデルの詳細は補論を参照されたい)。今回は、ユーロ圏を含めた35か国・地域を対象に、直近の関税率を取得できる2023年時点から、足もとの2025年6月4日の鉄鋼関税の引き上げによって、各国の生産(輸出と自国向け出荷)がどう変化するのか試算した。貿易データは国連のUN Comtradeを中心に使用し、各弾力性の値は先行研究の推計値を使用した(図表4、5)(注3)。


GSIMによる貿易フローの試算結果
ここでは、GSIMで試算した今回の鉄鋼関税の影響を確認していきたい。まず、図表6の鉄鋼(72類)への影響では、米国の生産は2023年対比+17.6%増加する結果となった。内訳は、米国の鉄鋼価格の上昇によりカナダ、メキシコを中心に輸出が▲9.9%ptマイナス寄与したものの、自国向けの出荷(海外輸出分を国内需要に充てる、輸入を国内生産に切り替える等)が+27.5%ptプラス寄与している。最も影響を受けるのがカナダであり、同▲35.2%の減少となった。輸出に占める米国向けの割合が高いことから、カナダの鉄鋼の国際価格が▲1.8%低下し、対米輸出が同▲55.0%ptマイナス寄与した。一方で、自国向け出荷が+17.7%ptプラス寄与したことに加え、国際価格の低下により、米国以外向けの輸出も+2.1%ptプラス寄与し、生産減少を緩和した。続いて影響が大きいのは、南米で同▲18.4%減少した。ブラジルの鉄鋼の国際価格が▲1.6%程度低下し、対米輸出が▲26%ptマイナス寄与している。米国以外向けの輸出では、中国向けが+1.5%ptプラス寄与する結果となっている。メキシコは同▲13.3%減少と、自国向けの出荷の増加もあり、カナダや南米よりも影響は小さくなった。日本は、同▲3.2%減少した。日本の対米輸出は▲4.2%ptマイナス寄与したものの、ASEAN向けが+0.4%pt、NIEs向けが+0.2%ptと寄与し、生産減少を幾分緩和する格好となった。

図表7の鉄鋼製品(73類)は、加工された製品である分、代えが効きにくい(代替の弾力性が低い)ため、一部の国・地域を除いて、鉄鋼と比較して関税引き上げの影響が小さく出る傾向が見て取れる。米国は、生産が2023年対比+10.5%増加する結果となった。米国の鉄鋼製品の価格が+1.6%上昇し、カナダ向けの輸出が▲4.9%ptマイナス寄与するものの、自国向けの出荷が+17.9%ptプラス寄与することで生産を底上げしている。鉄鋼製品の場合、最も影響を受けたのはメキシコで、同▲21.6%減少した。メキシコの鉄鋼製品の国際価格が▲3.9%低下し、対米輸出は▲36.3%ptマイナス寄与したが、自国向け出荷が+13.3%ptプラス寄与した。カナダは同▲18.9%減少となっており、対米輸出だけを見れば▲38.6%ptと最もマイナス寄与が大きいが、自国向け出荷が+19.2%ptプラス寄与して輸出の減少を緩和している。鉄鋼製品の場合は、NIEsや日本への影響も大きい。NIEsは同▲12.6%の減少で、対米輸出は▲22.5%ptのマイナス寄与だったが、米国以外向け輸出が+8.0%ptと大きく寄与した。輸出先は、ユーロ圏が+1.8%pt、中国が+1.1%ptとなっている。日本は同▲8.5%の減少となったが、対米輸出は▲15.4%ptのマイナス寄与に対し、米国以外向け輸出は+5.6%ptのプラス寄与となった。輸出先は、中国が+1.4%pt、ASEANが+1.3%ptとなっている。

分野別関税がもたらす生産の変化
本稿では、GSIMを使い、米国の鉄鋼関税の引き上げが各国の生産にどのような影響を与えるのか、定量的な分析を試みた。試算結果からは、米国への輸出割合が高く、基準時点の2023年から関税率が大きく上昇したカナダやメキシコを中心に、対米輸出が大きく減少することがわかった。一方で、対米輸出が減少すると同時に、今まで輸出していた国産品を国内需要に充てる「自国向けの出荷」や、米国以外の国への輸出に振り替える結果も得られた。行き場を失った鉄鋼や鉄鋼製品は、自国か中国やASEAN、NIEsといった国・地域に回る可能性がある。
また、今回の鉄鋼と鉄鋼製品の試算結果を比較することで、品目により、各国の輸出実績が異なるのはもちろんのこと、代替のしやすさ等の品目自体の特性によって、関税引き上げ時の影響も異なることが確認できた。今回のような部分均衡モデルによる分析では、マクロ経済全体への影響を分析することはできないが、品目・産業レベルでの影響を把握するには非常に有効だと言える。引き続き、トランプ政権が分野別関税の強化・拡大を図るのであれば、今回のような品目レベルのデータに基づく分析が重要になってくるだろう。
最後に、本稿の分析の留意点をまとめておきたい。前述の通り、GSIMは部分均衡モデルであるので特定の品目にのみ着目しており、他の品目や産業、他の経済部門との関係性は考慮できていない。また、試算結果はあくまで、相対価格の変化による新たな需給の均衡を示しているに過ぎない。そのため、試算結果から得られたような、「対米輸出の減少分を中国の輸出に振り替える」動きは、その時点で、中国経済に新たな輸出分を受け入れるだけの十分な需要や余力がある場合にのみ実現する、という点には留意されたい。中国経済の減速による鉄鋼需要の減少等、実際の貿易フローは各国のマクロ的な要因を多分に受けるため、当然ながら、試算結果は幅を持ってみる必要がある。
補論「GSIMの理論的な枠組みの説明」についてはPDFを参照ください。
- 佐藤秀保・齋藤勝宏・石橋洋次郎(2013)、「FTAが我が国の乳製品市場へ与える影響 : 拡張GSIMによるアプローチ」、日本農業経済学会論文集p227-233
- Christian Broda and David Weinstein (2006). "Globalization and the Gains From Variety," The Quarterly Journal of Economics, President and Fellows of Harvard College, vol. 121(2), pages 541-585
- Christian Broda, Joshua Greenfield and David Weinstein (2006). "From Groundnuts to Globalization: A Structural Estimate of Trade and Growth," NBER Working Papers 12512, National Bureau of Economic Research, Inc.
- Christian Broda, Nuno Limão and David Weinstein (2006). "Optimal Tariffs: The Evidence," NBER Working Papers 12033, National Bureau of Economic Research, Inc.
- Joseph Francois (2009). "An Extended Global Simulation Model: Analysis of Tariffs & Anti-Dumping Policy Impacts on Prices, Output, Incomes, and Employment," IIDE Discussion Papers 20090803a, Institue for International and Development Economics
- Joseph Francois and H. Keith Hall (2009). "Global Simulation Analysis of Industry-Level Trade Policy: the GSIM model," IIDE Discussion Papers 20090803, Institue for International and Development Economics
- Joseph Francois and Kenneth Reinert (1997). "Applied Methods for Trade Policy Analysis" A Handbook, Cambridge, UK, Cambridge University Press.
- Lionel Fontagné, Houssein Guimbard and Gianluca Orefice (2022). "A new dataset on product-level trade elasticities," Université Paris1 Panthéon-Sorbonne (Post-Print and Working Papers) halshs-04208575, HAL
- Olivier Jammes and Marcelo Olarreaga (2005). "Explaining SMART and GSIM", Washington D.C., The World Bank, Accessed on 1 August 2025
また、GSIMでは、他国への輸出と同じ枠組みで、国産品の国内需要を「自国への輸出」として扱うことで自国向け出荷への影響を分析している。本稿では、国産品の国内需要は、World Bureau of Metal Statisticsの鉄鋼の国内生産量から輸出量を除いた値(国産品の国内需要=国内生産量-輸出量)として計算した。また、上記式の値が負となる場合(国内生産量<輸出量)は、在庫変動のデータがなく正確な計算ができないため、min(国内生産量、国内生産量-輸出量+輸入量)を便宜的に国産品の国内需要とみなして計算した。今回のような品目レベルの分析では使用できないが、産業レベルで集計された分析でよい場合には、他国への輸出実績に加え、自国への投入量が予めデータとして含まれている国際産業連関表のデータを使用するべきだと考えられる。
阿原 健一郎
本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内容は、第一生命保険ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。