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トランプ関税による各国経済・金融市場への影響

~タリフマンが世界を混乱に陥れる~

田中 理 、 西濵 徹 、 藤代 宏一 、 星野 卓也 、 前田 和馬 、 阿原 健一郎

要旨
  • 米国が世界各国に対する相互関税を発表。相互関税は、①一律10%、②特定国に対する上乗せ税率で構成。4月9日、②については中国以外に対する90日間猶予措置を発表。今後、関税引き下げなどを巡って各国が米国と交渉へ。
  • 各国経済への影響については、米国は関税措置に伴うコストプッシュインフレが下押し圧力になりうる。周辺国は対米輸出の減少が直接影響として響くほか、政策不確実性の高まりや逆資産効果が内需の下押しに働く。日本は、提示された相互関税率は24%、猶予期間中も最大輸出品目である自動車の追加関税は継続。輸出を通じた実体経済への影響が今後顕在化するとみられる。
  • 金融市場への影響については、初期反応はリスクオフで株安・金利低下・ドル安となった。その後、米国長期金利の上昇圧力が強まり、トランプ氏の90日間の猶予措置決断につながった模様。ドル円への影響は双方にある。日米中銀の動向やファンダメンタルズ(日本の貿易黒字縮小)から考えると、やや長い目では円安圧力が勝るか。
  • 世界経済への影響を巡っては、一連の関税措置のサプライチェーンへの波及を踏まえると、中期的な世界経済への下押し圧力は▲0.7ptに上る可能性がある。各国が報復関税で対応すれば、影響は▲1.2ptに膨らむ。また、米欧デカップリングによる世界秩序の変化、グローバルサプライチェーンの再構築、国際協調路線からの離反といった構造的変化につながる可能性がある。

図表を含めた詳細についてはPDFファイルをご覧ください。

田中 理 、 西濵 徹 、 藤代 宏一 、 星野 卓也 、 前田 和馬 、 阿原 健一郎


本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘等を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内容は、第一生命保険ないしはその関連会社の投資方針等と常に整合的であるとは限りません。

田中 理

たなか おさむ

経済調査部 首席エコノミスト(グローバルヘッド)
担当: 海外総括・欧州経済

西濵 徹

にしはま とおる

経済調査部 主席エコノミスト
担当: アジア、中東、アフリカ、ロシア、中南米など新興国のマクロ経済・政治分析

藤代 宏一

ふじしろ こういち

経済調査部 主席エコノミスト
担当: 金融市場全般

星野 卓也

ほしの たくや

経済調査部 主席エコノミスト
担当: 日本経済、財政、社会保障、労働諸制度の分析、予測

前田 和馬

まえだ かずま

経済調査部 主席エコノミスト
担当: 米国経済、世界経済、経済構造分析

阿原 健一郎

あはら けんいちろう

経済調査部 主席エコノミスト
担当: アジアパシフィック経済、世界経済、計量分析

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