資金循環統計(2025年1-3月期)

~政府部門黒字化は幻になったが・・・~

星野 卓也

要旨

 日本銀行から資金循環統計速報(2025年1-3月期)が示された 。季節調整値で経済主体別の資金過不足をみると、家計は資金不足主体に転化(24年10-12月期:+4.1兆円→25年1-3月期:▲2.2兆円)、民間非金融法人企業の資金余剰幅は縮小(同+5.9兆円→+4.9兆円)。一般政府は資金余剰幅縮小(同▲0.5兆円→▲0.1兆円)、海外の資金不足は縮小(同▲8.1兆円→▲7.1兆円)した。前回の10-12月期速報時点では、政府部門の季節調整値が資金余剰(≒黒字)となり耳目を集めていた。今回公表値ではこの点が過去値の改定によって見直され、10-12月期の季節調整値はマイナス(赤字)、政府部門黒字化は“幻”になっている。ただ、2024年10-12月期、2025年1-3月期の資金不足幅はいずれも1兆円を下回る値にとどまっている。単四半期黒字化は幻となったが、財政赤字の縮小傾向自体を疑う必要性は薄いだろう。

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星野 卓也

ほしの たくや

経済調査部 主席エコノミスト
担当: 日本経済、財政、社会保障、労働諸制度の分析、予測

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