- HOME
- レポート一覧
- 経済指標レポート(Indicators)
- 欧州経済指標コメント:7-9月期ユーロ圏GDP
- Europe Indicators
-
2024.10.31
欧州経済
欧州金融政策
景気指標(欧州)
欧州経済指標コメント:7-9月期ユーロ圏GDP
~遠退く50bp利下げ~
田中 理
- 要旨
-
- 足元で景気減速を示唆するソフトデータが相次ぐが、30日に発表された7~9月期のユーロ圏の実質GDPの一次速報値は前期比+0.4%(同年率+1.5%)と、4~6月期の同+0.2%(同年率+0.8%)から加速し、予想外の高成長を記録した。個人消費や政府消費主導でスペイン(4~6月期:同+0.8%→7~9月期:同+0.8%)の好調が続いていることに加えて、パリ五輪の特需でフランス(同+0.2%→同+0.4%)の成長が加速したほか、多国籍企業の生産活動で四半期毎の変動が大きいアイルランド(同▲1.0%→同+2.0%)が大幅に上振れ。イタリア(同+0.2%→同▲0.0%)は製造部門や外需が成長を下押し。PMIやIfoなどで足元の景気に一段のブレーキが掛かっていることが示唆されるドイツ(同▲0.3%→同+0.2%)は、前期が下方修正(修正前:同▲0.1%→修正後:同▲0.3%)されたこともあり、予想外のプラス成長を記録。
- 需要項目別の内訳は速報段階では公表されないが、既報の国別計数からは、インフレ鈍化と賃上げ加速による所得環境改善を受けた個人消費と、公務員給与の引き上げなどを背景に政府消費が成長を牽引した一方、利下げ開始後も続く金融環境の引き締まりから設備投資や住宅投資が成長抑制に働いた模様。10~12月期は、五輪特需の剥落や雇用情勢の悪化が景気を下押しする公算が大きい。当面の景気は低空飛行が続くとみられるが、景気や物価に更に急ブレーキが掛からない限り、利下げペースを従来の25bpから50bpに拡大する差し迫った必要性は見当たらない。今回のGDPの上振れに加えて、既報の国別計数から判断して、10月の消費者物価が僅かに再加速するとみられ、12月のECB理事会で利下げペースを50bpに拡大する可能性は遠退いた。
右上にある「PDF閲覧のアイコン」をクリックしてご覧下さい。
本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内容は、第一生命保険ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。

