(最終版)電気・ガス代補助の物価への影響

~CPIコアを▲0.5~▲0.6%Pt、前年比で▲0.2~▲0.3%Pt押し下げか~

新家 義貴

昨日作成したレポート(電気・ガス代補助の物価への影響と今後の課題 ~夏で終わらず、秋以降の支援延長・拡大の可能性も~ | 新家 義貴 | 第一ライフ資産運用経済研究所)では、今夏に実施される電気・ガス代補助による物価への影響を試算し、今後の展望と課題について述べた。その時点では都市ガス代の補助額が不明であったため、昨夏と同水準の補助と仮定して試算していたが、本日、都市ガス代の補助額についても発表があったため、改めて試算を行う。

今回決まった補助額は、電気料金について、家庭向けで1キロワットアワーあたり7月が3.5円、8月が4.5円、9月が3.5円、都市ガス代について、1立方メートルあたり7月が14.0円、8月が18.0円、9月が14.0円である。昨年夏の支援(電気料金:7月2.0円、8月2.4円、9月2.0円、都市ガス代:7月が8.0円、8月が10.0円、9月が8.0円)から積み増されている。

なお、今回の支出規模は電気・ガスを含めて5,135億円、世帯あたりの負担軽減額は3か月合計で5,111円になるとされている。前年夏の支援では、支出規模が2,881億円、標準的な世帯の負担軽減額が3か月合計で3,000円程度だった。これと比べると、今夏の支援は規模が大きく拡大する。

消費者物価指数への影響を見る際には、26年7~9月使用分の補助は26年8~10月のCPIに影響する点に注意が必要である。電気代、ガス代のCPIへの反映は「使用月」ではなく「請求月」に基づくためである。

今回の補助による影響をみると、補助が実施されないケースと比較して、CPIコアは26年8月に▲0.48%Pt、9月に▲0.62%Pt、10月に▲0.48%Pt程度押し下げられると試算される。前年夏の支援よりも補助額が拡充されるため、CPIの押し下げ効果も大きくなる。もっとも、前年同月にも夏場の補助が実施されていたため、前年比で見た追加的な押し下げ効果は、補助がない場合との比較よりも小さくなる。今回の補助が前年夏よりも大きいことを踏まえると、前年比ベースでは、CPIコアを8月に▲0.2%Pt、9月に▲0.3%Pt、10月に▲0.2%Pt程度押し下げるだろう。

(電気・ガス代補助の秋以降の展望や制度の課題については前掲レポート「電気・ガス代補助の物価への影響と今後の課題 ~夏で終わらず、秋以降の支援延長・拡大の可能性も~ | 新家 義貴 | 第一ライフ資産運用経済研究所」をご参照ください)

新家 義貴


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新家 義貴

しんけ よしき

経済調査部・シニアエグゼクティブエコノミスト
担当: 日本経済短期予測

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