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【1分解説】日銀によるETF売却とは?

河谷 善夫

  音声解説

ETF(Exchange Traded Funds:指数連動型上場投資信託受益権)は、日経平均株価やTOPIXなどの指数に連動する投資信託です。立会時間中は株式と同様に取引所においてリアルタイムで売買でき、コストも比較的低いため投資家が広く利用しています。

日銀によるETF買い入れは、2010年、白川総裁の下で開始され、2013年以降は黒田総裁の下で「量的・質的金融緩和(異次元緩和)」の柱として大規模化されました。株価の下支えや投資家心理の安定による資産価格の上昇を通じて需要を刺激し、デフレからの脱却を目指したものです。中央銀行がリスク資産を大量に保有するのは国際的に極めて異例です。

日銀は世界最大級のETF保有者となり、市場機能の歪みや出口戦略への懸念も強まりました。そこで2024年3月、植田総裁の下で2%の物価安定目標の持続的達成が見通せるとの判断に基づき、ETFの新規の買入れは終了しました。2025年9月には、年間約3,300億円(時価換算で約6,200億円)規模で段階的に売却する方針が示されました。売買代金の市場全体に占める割合を0.05%程度に抑えるものです。保有額(簿価)は約37兆円で、売却に100年以上かかる緩やかなペースです。実際の売却は、委託先決定などの準備が整い次第開始されます。市場への混乱を避ける姿勢が強調されており、ETF売却は出口戦略の象徴的な一歩として注目されています。

この解説は2025年10月時点の情報に基づいたものです。

河谷 善夫


本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。

河谷 善夫

かわたに よしお

総合調査部 研究理事
専⾨分野: 規制、ガバナンス

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