【1分解説】黄金株(拒否権付種類株式)とは?

河谷 善夫

  音声解説

黄金株は、拒否権付種類株式とも呼ばれる種類株式の一つです。一般の普通株式では基本的には議決権、剰余金配当請求権等の株主の権利は1単元株毎に等しいですが、種類株式では株主の権利は普通株式とは異なる内容で定められます。

黄金株は、会社法第108条第1項第8号に規定されています。即ち、会社の定める特定の事項については、株主総会や取締役会での決議とは別に、黄金株を保有する株主(典型的には一人)だけで構成される「種類株主総会」での決議が必要になります。つまり、黄金株を持つ株主は、会社の定める取締役の選解任、事業の譲渡、会社の合併、敵対的買収などの重要な事項に関し株主総会や取締役会の決議に対して拒否権を持つことになります。

東証の有価証券上場規定では上場廃止基準として「株主の権利内容及びその行使が不当に制限されている」ことが挙げられています。そして、「株主及び投資者の利益を侵害するおそれが少ないと取引所が認める場合」を除いて拒否権付種類株式は上場廃止基準に抵触します。現在、黄金株がある上場企業は1社のみです。

黄金株は、企業の支配や経営の重要な意思決定に対する防衛策として機能しますが、適切に運用されない場合には投資家や株主の利益を損なう可能性があるため、その発行と運用には慎重な対応が求められます。

この解説は2025年6月時点の情報に基づいたものです。

河谷 善夫


本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。

河谷 善夫

かわたに よしお

政策調査部 シニア研究員
専⾨分野: 規制、ガバナンス

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