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【1分解説】ブレインドレイン(頭脳流出)とは?

田村 洸樹

  音声解説

ブレインドレイン(頭脳流出)とは、高度な知識や技術を持つ優秀な人材がより良い機会を求めて他の国や地域に移住することを意味します。人材が流入する国では、経済成長やイノベーション創出などへの貢献が期待できますが、人材が流出してしまう国では、税収の減少や労働力の不足などによって経済にマイナスの影響を及ぼす可能性があります。

ブレインドレインは、人口動態にも大きな影響を及ぼす可能性があります。欧州委員会の共同研究センター(Joint Research Centre)が2019年にまとめた報告書によると、最も深刻なシナリオの場合、 EU域外への頭脳流出により、最大940万人がEUを離れ、EU全体の人口が2060年までに31%減少する可能性があるとしています。特に若年層が域外に流出する可能性が高いため、結果として、EU全体の生産年齢人口を半減させ、65歳以上の人口割合を2倍以上に押し上げる可能性が指摘されています。

このようなブレインドレインの問題は日本も例外ではありません。日本でブレインドレインを防ぐには、国内企業による人的資本への投資を促進することが有効な手段になり得ます。近年、一部の日本企業が導入を始めている「ジョブ型雇用」は、その一例です。企業が高度な専門性を持つ人材に対して、国際競争力のある報酬や、より良い労働環境、魅力的なキャリア形成の機会などを提供することで、優秀な人材を国内に引き留めることにつながります。

この解説は2024年9月時点の情報に基づいたものです。

田村 洸樹


本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。