【1分解説】公開買付制度とは?

河谷 善夫

  音声解説

公開買付制度は、会社の支配権に影響を及ぼすような株式等取引において「透明性・公正性」を確保する観点から、公開買付け(TOB:Takeover Bid)を義務付けるものです。株式等の買付期間や数量、価格等の情報の事前開示と共に売却機会の確保等による株主の平等な取扱いが求められます。この制度は、1971年に導入され、2006年に大幅に改正された後は、2024年までルールの内容が維持されました。

これまでの制度ではTOBを強制する閾値として、全株式の5%や3分の1、或いは3分の2という水準が設定され、取引形態によりTOBの適用が区分されていました。 株式等の取引には、大きく分けて市場内取引と市場外取引があります。前者には取引時間内に行う立会内取引と時間外に行う立会外取引があります。立法趣旨から主に市場外取引について公開買付制度が適用されていましたが、市場内取引等を通じた非友好的買収事例の増加、M&Aの増加など、企業買収を巡る環境が変化してきています。

上記のような資本市場の環境変化を踏まえ、金融審議会で制度のあり方が検討され、制度改正の報告が行われました。これに基づき金融商品取引法が2024年5月に改正され、資料のとおりa)市場内取引もルール適用対象とする、b)3分の1という閾値を30%に引き下げるといった規制対象取引の拡大が行われました。

資料 公開買付が強制される取引の範囲について
資料 公開買付が強制される取引の範囲について

この解説は2023年9月に公表した後、2024年9月時点の情報に基づき改訂したものです。

河谷 善夫


本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。

河谷 善夫

かわたに よしお

政策調査部 シニア研究員
専⾨分野: 規制、ガバナンス

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