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時事雑感(2025年11月号)

嶌峰 義清

西暦で5の倍数年は、国勢調査が行われる。国勢調査は1920年(大正9年)に開始され、戦後の混乱期を除けば、原則として5年に一度行われており、今年の国勢調査は22回目となる。

国勢調査の目的は、国内の人口や世帯の実態(就業状況など)を把握し、地方交付税の分配など様々な行政に活かすことにある。このため、国勢調査は最も基本的で重要な統計と位置づけられており、調査項目や調査頻度などに違いはあるものの、海外の大半の国で定期的に実施されている。

調査の対象は国内に住む人全てで、調査への回答は義務となる。調査項目は時代とともに変化している。以前は就業時間や住宅の床面積なども調査項目となっていたが、今は無くなっている。代わりに、現在の居住地に住んでいる期間など、人口移動の把握に関する調査項目などが追加されてきた。

国勢調査から得られる情報のうち、最も注目されているものの一つが人口動態だろう。日本の人口は2010年の1億2808万人をピークに減少傾向に転じている。人口減少の要因として、経済環境、世帯構成の変化、結婚観・人生観の変化、子育てコストなど様々な要因が指摘されている。しかし、人口減少に歯止めをかける有効な対策は打ち出されておらず、合計特殊出生率は2024年には統計開始来最低の1.15まで低下した。人口の維持には合計特殊出生率が2.07程度となることが必要とされている。このままだと、日本の人口は加速度的に減少していくことになる。

国勢調査の結果を受けて、日本の将来人口推計を行っているのが国立社会保障・人口問題研究所だ。2023年に公表された直近の予測によれば、中位推計(出生・死亡とも中位)でも2056年には人口は1億人を割り込み、その後も減少を続ける。今年の国勢調査結果を受けた予測は2028年に発表される見込みだが、そこではさらに予測人口の下方修正が行われよう。人口の減少は経済活動や財政に大きな弊害をもたらす。新内閣の課題は山積しているが、国勢調査結果を活かして人口減少に歯止めをかけるための有効な政策も待ったなしだ。

(嶌峰 義清)

嶌峰 義清


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嶌峰 義清

しまみね よしきよ

経済調査部 シニア・フェロー
担当: 経済・金融市場全般、地政学

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