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- データで見やすくする経済情勢『日本を取り巻く食料サプライチェーン』

一部の食料は特定国からの供給に偏在
足もとでは国内のコメ価格が高止まりし、消費者に大きな影響を与えています。備蓄米の供給等の対応が進んでいますが、執筆時点ではまだ需給はひっ迫しているようです。こうしたコメ価格の高止まりが注目される一方で、日本の食料全体を俯瞰すると、一部の食料は特定の国からの輸入に大きく依存している現状が浮かび上がります。
グラフは、日本で主に消費されている食料について、どれだけ供給元が偏在しているかを示したものです。横軸は、1日の必要カロリーに占める日本人の消費割合、縦軸は、供給元がどれだけ特定の国に集中しているかを示すハーフィンダール・ハーシュマン指数(以下、HHI)、円の大きさは日本の輸入量に対応しています。円が大きくなり、右上に位置するほど、「日本人が日常的に消費するにもかかわらず、その多くを特定の国からの輸入に頼らざるを得ない品目」ということになります。一般的にHHIは、2,500以上であれば、供給が特定の国に集中している(寡占的)と考えられます。
グラフからは、消費割合の多いコメは高関税によって輸入量が少なく、小麦は調達先がある程度多様化されていると言えそうです。一方、輸入量が多い割に、輸入先が限られているのが大豆です。大豆の輸出は、ブラジルと米国が世界全体の約86%を占めており、両国が同時に旱魃などの異常気象の被害を受ければ、輸入減少に直結する可能性があります。日本では、大豆は主食ではありませんが、飼料等にも用いられているため畜産業への影響も大きいと考えられ、食料サプライチェーンのリスク管理が重要になりそうです。
阿原 健一郎
本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内容は、第一生命保険ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。