ナフサの消費者価格への転嫁が始まる

~6月に入って食料品価格の上昇鈍化が反転~

星野 卓也

要旨
  • 6月に入って以降、上昇率の鈍化が続いていたPOSデータの物価指数が反転。即席めん、納豆、豆腐など容器や包装コストの大きいとみられる食品の上昇が目立っている。イラン情勢の影響が徐々に消費者段階にも波及してきた。
目次

6月に入ってPOS価格の伸び率縮小傾向に変化

イラン情勢の影響が消費者価格にも徐々に波及し始めたようだ。(株)ナウキャストの日経CPINOW指数によれば、6月12日時点の7日移動平均の伸び率(前年同日比)は+2.4%となった。同指数はスーパー、コンビニ等のPOSデータを基にした物価指数であり、食料品を中心とした物価動向をタイムリーに観察できる。食料品価格の上昇率の鈍化とともに同指数の上昇率は5月まで低下してきたものの、6月に入って反転しつつある。6月以降の消費者物価指数にも「食料品価格の上昇鈍化が止まるor再上昇する」形で影響が表れそうだ。

図表
図表

品目別にみると、直近6月の上昇率が5月最終週と比較して大きい品目として、生タイプ即席袋めん、即席カップ入りスープ・汁、即席カップめん、納豆、豆腐・豆腐製品、生鮮卵、食用油、殺虫剤・殺鼠剤、洗濯・物干し用品が挙がる(図表2)。容器・包装コストが大きいとみられる加工食品の上昇が目立っており、ナフサ由来のコスト上昇と整合的である。

図表
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本日付けで米イランの戦闘終結に向けた合意が報じられている。情勢改善はコストプッシュインフレの圧力を和らげるほか、ホルムズ海峡が開放されれば供給途絶のリスクも低減に向かいそうだ。一方、戦闘による中東の石油生産能力への影響、関係再悪化の懸念などを背景に、原油価格も情勢悪化前対比では一定の高止まりが続きやすいとみられる。イラン情勢を起因とする消費者レベルの値上げ圧力はもうしばらく残存することが予想される。

以上

星野 卓也


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星野 卓也

ほしの たくや

経済調査部 主席エコノミスト
担当: 日本経済、財政、社会保障、労働諸制度の分析、予測

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