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2026.06.15
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米イラン戦争の終結合意と6月FOMC
~再び利下げ織り込みへ?~
前田 和馬
6月14日、米国のトランプ大統領はイランと戦争終結で合意したと発表した。両国は19日にスイスで合意の覚書文書に署名する。また、トランプ氏は19日にもホルムズ海峡が通行料なしで解放されると言及した。2月末の米イラン戦争の開始以降、トランプ政権の支持率は低迷が続き、5月中旬には就任後初めて40%を下回る水準まで低下していた。戦争以前から米国の物価が高止まりするなか、イラン戦争後のガソリン価格高騰はインフレに対する国民の不満を増幅している。この間、7月4日の米独立記念日(建国250周年)、同時期に本格化する夏の旅行シーズンを控え、11月の中間選挙で共和党は苦戦を強いられるとの見方が強まっていた。
6月16~17日にかけて、FRBはウォーシュ新議長の下で初めてのFOMCを開催する。同FOMCにおいて、政策金利は4会合連続で据え置かれる可能性が高い(3.50~3.75%)。一方、ウォーシュ新議長が足下のインフレリスクをどう捉えるのか、及び同時に公表予定のドットチャートにおいて当面の利上げを織り込むFOMCメンバーがどの程度現れるのかが注目される(詳細は6月12日付け「2026年6月FOMCプレビュー」参照)。とはいえ、米イラン戦争の終結、これによる原油価格の低下を前提とすると、ウォーシュ議長が利上げの選択肢を強調する可能性は大きく低下したといえよう。例えば、ボウマン理事は5月29日の講演で「イラン戦争が終結し供給懸念が収束すれば、インフレは一時的な上昇に留まる」と指摘しており、ウォーシュ議長も同様の見方を示すかもしれない。
なお、金融市場の織り込む政策金利を巡っては、5月半ばまでは概ね原油価格と連動した一方、5月下旬以降は原油価格の低下にも関わらず利上げ織り込みが進んでいた。この背景には、4月FOMC議事要旨(5月20日公表)において多数のFOMCメンバーが利上げの可能性に言及したことなどが影響したとみられる。一方、米イラン合意で原油価格の高止まり懸念が後退し、5月小売売上高などで実体経済の過熱感が弱いのであれば、利上げを否定しなかったFOMCメンバーのタカ派スタンスも幾分緩和する可能性がある。仮に原油価格と政策金利の連動性が復活する場合、原油価格の80ドル台の定着で年内1回弱の利下げ織り込みが復活する。

前田 和馬
本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一ライフ資産運用経済研究所が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内容は、第一生命保険ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。

