米国:7月CB消費者信頼感は現況悪化で低下

~景気・雇用への見方が慎重化し、消費の重石に~

桂畑 誠治

目次

1. 現状悪化を受け市場予想を下振れ、消費の緩やかな伸びを示唆

26年7月の米コンファレンス・ボード(CB)消費者信頼感指数(速報値)は90.8となり、前月の92.2(改定値)から前月比1.4ポイント低下した。これは、市場予想中央値(92.4)や筆者予想(92.0)を下回る結果である。地政学リスクやエネルギーコスト負担が逆風となり、指数は引き続き低位で推移。当面の個人消費の伸びが緩やかにとどまる可能性を示唆している。

指数の内訳をみると、構成要素間で明暗が分かれた。期待指数は74.7(前月74.7:改定前74.4)と横ばいを維持し先行きの底割れは回避された。一方、現状指数は114.9(前月118.5:改定前116.4)と前月比3.6ポイント低下した。中東情勢への不安やコスト高の定着が足元の景況感を押し下げた。

2. 悲観バイアスは継続も、地政学リスクへの過度な警戒は後退

発表元によると、「7月も経済に対する悲観的なバイアスが継続」している。回答者の「価格」「石油・ガス」への言及頻度は減少したものの高水準しており、さらに「食料品価格」に関する言及は増加した。一方、「戦争」「地政学」「紛争」への言及は減少しており、中東情勢がインフレに与える影響への過度な懸念は和らぎつつある。ただし、7月に発生した一時的な戦闘激化が速報値に十分反映されていない可能性もあり、改定値で再び言及が増加する余地を残している。また、雇用や失業に関する言及が微増しており、労働市場の実態はFOMCの想定ほど強固ではない可能性を示唆している。

3. 景気・雇用懸念が根強く、所得期待も縮小

項目別にみると、先行き不透明感の和らぎが現状判断の悪化を一部相殺しているものの、足元の景気・雇用環境に対する見方はともに弱まった。

現状指数の構成項目では、現在の景気判断(「良い」-「悪い」)が+1.1(前月+3.7:改定前+3.5)へ低下したほか、現在の雇用機会判断(「充分」-「困難」)も+3.1(前月+3.8:改定前+2.4)へとプラス幅を縮小させ、足元の雇用に対する見方は後退した。

一方、期待指数の構成項目は方向性が分かれた。6カ月後の雇用に対する見方(「多くなる」-「少なくなる」)は▲8.6(前月▲9.9:改定前▲10.4)とマイナス幅を縮小させたものの、依然としてマイナス圏に沈んでおり雇用の先行きへの懸念は根強く残っている。6カ月後の景気に対する見方(「良くなる」-「悪くなる」)は▲3.3(前月▲1.8:改定前▲1.3)へと悪化し、悲観論が若干強まった。さらに、6カ月後の収入に対する見方(「増加する」-「減少する」)は+7.3(前月+7.8:改定前+7.6)と低下しており、ガソリン価格の再上昇などを背景に所得増加への期待は幾分弱まっている。

図表
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4. インフレ心理の定着(粘着化)リスクへの警戒

インフレ面では、1年先のインフレ見通しが5.5%(前月5.9%)へと低下したものの、依然として高水準での推移が続いている。

中東情勢などに起因するエネルギー価格の高止まりは、消費者のインフレ心理を一時的な振幅から高水準での定着へと変質させるリスクを内包している。こうした家計のインフレ期待の定着に対し、FRBは引き続き警戒感を強めていくと考えられる。

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桂畑 誠治


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桂畑 誠治

かつらはた せいじ

経済調査部 主任エコノミスト
担当: 米国経済

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