ナフサの代替調達が進む

~中東からの輸入は激減続くも、米国からの輸入が急増~

新家 義貴

2026年5月の貿易統計(確速)では、ナフサの代替調達が進みつつあることが示された。5月のナフサ輸入数量は前年比▲9.1%と減少したが、3月の同▲38.2%、4月の同▲45.1%から減少幅が大きく縮小した。季節調整値(筆者試算)でも5月は前月比+48.3%と大幅に増加している。中東からの輸入が前年比▲89.3%と激減が続くなか、米国からの輸入が前年対比7.1倍の増加となり、下支えした。この結果、5月は中東からのナフサ輸入数量を米国からの輸入が上回っている。また、米国以外では、アルジェリアからの輸入増の寄与が大きい。政府は、ホルムズ海峡を経由しない中東以外からの代替調達として、米国、アルジェリア、ペルーなどからの輸入を増加させるとしていたが、それが実際に数字としてあらわれてきた。流通の目詰まり等の問題はなお残るものの、今後も代替調達が進む見込みであることを踏まえると、これまでのような過度な不安心理からの買いだめといった動きは沈静化していくのではないか。

こうした企業・政府による代替調達の進展に加え、イラン・米国間の合意により地政学的な緊張がいったん和らいだことで、調達難が幅広い業種の生産活動を大きく制約するリスクは和らぎつつある。価格面での下押し圧力の顕在化が今後予想されることから、景気は先行き減速する可能性はあるが、景気腰折れは回避される可能性が高まっているとみられる。

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新家 義貴


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新家 義貴

しんけ よしき

経済調査部・シニアエグゼクティブエコノミスト
担当: 日本経済短期予測

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