景気は緩やかな回復基調を維持(26年5月景気動向指数)

~物価上昇が回復ペースを抑制も、供給制約リスクは後退~

新家 義貴

CI一致指数は3ヵ月連続で上昇

内閣府から公表された2026年5月の景気動向指数では、CI一致指数が前月差+0.4ポイントとなり、小幅ながら3ヵ月連続で上昇した。3ヵ月後方移動平均の前月差も+0.67ポイントとプラス幅が拡大しており、基調としても持ち直しの動きが続いている。内訳では、投資財出荷指数や卸売業販売額、有効求人倍率などがマイナス寄与となった一方、耐久消費財出荷指数や小売業販売額、鉱工業用生産財出荷指数などが押し上げ要因となった。投資財出荷指数の大幅なマイナス寄与が全体の伸びを抑えたものの、CI一致指数は上昇を維持した。

図表
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基調判断は「改善」で据え置き。緩やかな景気回復が続く

CI一致指数の基調判断は「改善」で据え置かれた。前回4月分は、速報値の時点では「上方への局面変化」だったが、改訂値で「改善」へと上方修正されており、5月分ではその判断が維持された。なお、内閣府による「改善」の定義は「景気拡張の可能性が高いことを示す」であり、5月の段階でも景気回復局面が継続していることが示唆されている。イラン情勢悪化に関連して、消費者マインドの悪化や輸入物価高騰、川上段階での物価上昇などはみられるものの、少なくとも5月のCI一致指数からは、それが景気を広く下押ししている様子は窺えない。景気は緩やかな回復基調を維持していると判断してよいだろう。

先行きについても、景気の回復ペースは鈍化しつつも、基調としては回復が続くと予想している。懸念材料としては、物価上昇が挙げられる。既に生じた輸入物価の高騰や川上段階でのコスト上昇は、今後、時間差を伴って川下へ転嫁され、家計の実質購買力や企業収益を圧迫する可能性がある。景気の回復ペースは、当面抑制されやすい。

もっとも、供給面でのリスクが後退していることは大きな好材料だ。企業・政府による代替調達の進展に加え、イラン・米国間の合意により地政学的な緊張がいったん和らいだことで、調達難が幅広い業種の生産活動を大きく制約するリスクは和らいでいる。価格面からの下押し圧力は残るものの、供給制約の深刻化が避けられるなかで、景気が腰折れする事態は回避されるだろう。CI一致指数の基調判断も、当面は「改善」が維持される可能性が高い。

新家 義貴


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新家 義貴

しんけ よしき

経済調査部・シニアエグゼクティブエコノミスト
担当: 日本経済短期予測

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