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2026.04.02
米国経済
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イラン戦争から約1か月
~中間選挙での共和党敗北が現実味を帯びる~
前田 和馬
4月1日、トランプ大統領は国民向けに演説し、イランへの軍事攻撃を巡る「目標の達成が間近である」と述べ、自身の成果を誇示した。また、「今後2~3週間で激しい攻撃を行う」と述べた一方、「戦争終結は非常に近い」と断言した。ただ、(事前に期待されていた)イランとの停戦交渉を巡る具体的な進展は明らかにしなかった(演説前に自身のSNSでは「イランが停戦を要請した」と言及)。また、ホルムズ海峡の航行を巡っては、米国にとって中東産原油は不要であり、中東に原油を依存する同盟国が自分たちで安全を担保すべきとの見解を示した。加えて、同盟国に対して米国産原油を購入するようにも促した。
2月28日以降の米・イスラエルとイランの軍事衝突には解決の兆しがみえていない。賭け市場(Polymarket)の予想する停戦時期は4月中が32%に留まっている(図表1:演説後の4月2日14時時点)。一方、トランプ大統領が11月の中間選挙を見据える場合、夏休み前の6月中には原油価格を鎮静化させたい意向が強いとみられ、賭け市場でも6月までの停戦が61%の確率で予想されている。
とはいえ、ガソリン価格が落ち着いた後においても、トランプ政権の期待通りに支持率が回復するかには不透明感が残る(図表2)。Economist/YouGovによる世論調査では、トランプ大統領の政治基盤である「米国第一主義者(MAGA派)」の支持は揺らいでいない一方、(穏健とみられる)非MAGA派の共和党員はガソリン価格高騰や米軍の被害拡大を背景にイラン戦争への反対姿勢を強めている(図表3)。足下における無党派層の離反や一部共和党員の冷めた見方は、11月の中間選挙まで尾を引く懸念がある。実際、賭け市場の予想確率を見ると、中間選挙のメインシナリオは上院が共和党、下院は民主党がそれぞれ勝利する見方から、上下院とも民主党が勝利する(過半数を得る)予想にシフトしつつある(図表4)。
2027年以降の米国政治は連邦議会とトランプ大統領の意向が対立するなか、立法手続きの停滞が予想される。なお、仮に上院を民主党が支配する場合、金融政策の独立性には追い風となるかもしれない。FRB理事の承認は上院で行われるため、仮に27年以降に大統領権限で強引にFRB理事を解任しようとも、トランプ氏は自身に忠実な後任候補をFRBに送ることが難しくなる。なお、トランプ大統領の在任中に、パウエル議長(議長任期満了[5月]と同時に同氏が退任する場合は後任)の理事としての任期が2028年1月に終了する。

前田 和馬
本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一ライフ資産運用経済研究所が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内容は、第一生命保険ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。
- 前田 和馬
まえだ かずま
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経済調査部 主席エコノミスト
担当: 米国経済、世界経済、経済構造分析
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