日銀手法に倣った合成予想インフレ率の推計(2025Q4)

~市場のインフレ予想が上昇~

星野 卓也

目次

図表
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筆者推定の合成予想インフレ率指標(5年後)は+1.79%に

本日公表された日銀の「生活意識に関するアンケート調査」などに基づき、家計・企業・専門家の予想インフレ率を統合した合成予想インフレ率指標の推定を行った。推定した2025年10-12月期の合成予想インフレ率指標は+1.79%と、前期(1.77%)から上昇率を高めた(資料、左上)。日銀は物価の状況を説明する際に「基調的インフレ率」を度々取り上げている。日銀の説明する「基調的インフレ率」の定義ははっきりしたものではないのだが、それをみるうえで重視しているものの1つと考えられるのが予想インフレ率だ。合成予想インフレ率は家計・企業・専門家の予想インフレ率を複合した指標として、日銀の公表資料でも複数回登場している数字である。

推計値は着々と2%に近づいており、予想インフレ率の上昇を示している。コンポーネントごとにみると、家計(生活意識に関するアンケート、5年後)の平均値が2025年9月調査:10.0%→12月調査:9.8%へ一服する一方で、5年先5年インフレスワップ(5年後を起点としたその後5年間の期待インフレ率)が7-9月期:1.7%→10-12月期:2.0%へ上昇している。前者については食料インフレの鈍化が、後者については高市政権発足でハト派的な財政・金融政策が実施されるとの観測が背景にあるとみられる。インフレスワップは1月に入って以降は2%を超えて推移しており、週末の日銀・金融政策決定会合で基調的インフレ率評価に変化がみられるかが注目される。


(参考文献)

長田・中澤(2024)「期間構造や予測力からみたインフレ予想指標の有用性」日銀レビュー 2024-J-5

西野・山本・北原・永幡(2016)「『量的・質的金融緩和』の3年間における予想物価上昇率の変化」日銀レビュー 2016-J-17

大柴(2024)「インフレ予想の統計的推定の展開①~合成予想物価上昇率の有用性~」第一生命経済研究所 Economic Trends

星野 卓也


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星野 卓也

ほしの たくや

経済調査部 主席エコノミスト
担当: 日本経済、財政、社会保障、労働諸制度の分析、予測

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