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2025.12.26
日本経済
金融政策・日銀
物価
都区部版・日銀基調的インフレ率の試算(2025/12)
~刈込平均の伸びが縮小、加重中央値は若干の加速~
星野 卓也

刈込平均の伸びが+2%まで縮小
以前のレポートで試算した①東京都区部版の基調的インフレ率3指標、②日銀が賃金から物価への波及度合いを分析する際に利用した低変動品目CPIについて、本日公表の12月都区部CPIを用いて計算した。
計算値をみると、刈込平均値(全国ウェイト換算)は11月:+2.4%→12月:+2.0%、加重中央値(全国ウェイト換算)は11月:+1.2%→12月:+1.3%、最頻値は11月:+1.4%→12月:+1.3%(いずれも前年比)となった。また、全国版の低変動品目CPIは10月:+1.4%→11月:+1.4%、都区部では11月:+1.8%→12月:+1.8%となった。
12月は刈込平均(全国ウェイト換算)の値が+2.0%まで伸びを縮小させた。その一方で、加重中央値は若干の加速、低変動品目CPIは横ばいであり、物価全体の基調が変化したとまでは言い難い。日銀は12月に利上げを実施、昨日25日には植田総裁が講演した。ここでは「基調的な物価上昇率に関連する指標」として本稿で推計する刈込平均値、加重中央値、最頻値のほか、予想インフレ率関連指標の動きを示し、「2%に着実に近づいている」との説明を行った。特に、高市政権発足以降、予想インフレ率が上昇しており、物価目標達成に自信を深めているとみられる。次の利上げで政策金利は日銀の中立金利水準レンジの下限である1%に達する。このタイミングでは予想インフレ率の上昇等をもって、基調的インフレ率が2%に達した、達しつつある等へ基調インフレ率の評価を引き上げるとみている。

(参考文献)
星野(2023)「東京都区部版・日銀基調的インフレ率の試算」第一生命経済研究所 Economic Trends
星野(2024)「日銀の「第二の力」指標を再現してみた」第一生命経済研究所 Economic Trends
川本・中浜・法眼(2015)「消費者物価コア指標とその特性 — 景気変動との関係を中心に —」日銀レビュー・シリーズ、15-J-11
白塚(2015)「消費者物価コア指標のパフォーマンスについて」日銀レビュー・シリーズ、15-J-12
尾崎・神保・八木・吉井(2024)「賃金・物価の相互連関を巡る最近の状況について」日銀レビュー 2024-J-2
星野 卓也
本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内容は、第一生命保険ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。