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2025.11.11
日本経済
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2025年7-9月期GDP予測(最終版)
~前期比年率▲2.2%とマイナス成長を予想~
新家 義貴
11月17日に公表される2025年7-9月期の実質GDP成長率を前期比年率▲2.2%(前期比▲0.5%)と予測する。10月31日の段階では前期比年率▲2.7%(前期比▲0.7%)と予想していたが、その後公表された経済指標の結果を反映し、予測値を上方修正する。
本日公表された25年9月分の国際収支統計の結果を反映し、25年7-9月期の実質輸出の予測値を前期比▲1.3%と、従来予測値の同▲1.9%から上方修正する。筆者の9月分の想定と比べて財輸出、サービス輸出とも大きく上振れたことが主因である。また、実質輸入の予測値は前期比▲0.6%と、従来予測値の▲0.7%から僅かに上方修正する。輸出入とも上方修正だが、輸出の上方修正度合いの方が大きいことから、外需寄与度の予測を前期比▲0.1%Pt(従来予測値:同▲0.3%Pt)へと上方修正している。
そのほか、9月分の家計調査と家計消費状況調査の結果も反映させたが、個人消費の予測値は前期比+0.1%と、従来予測値から変更がなかった。これらを踏まえ、25年7-9月期の実質GDP成長率を前期比年率▲2.2%(従来予測値:▲2.7%)と予測する。4-6月期は前期比年率+2.2%の高成長だったが、これを吐き出す形になるだろう。前年比でも伸びが大幅に鈍化する見込みである。
7-9月期のマイナス成長の主因は外需と住宅投資だが、特に住宅投資の落ち込みが大きい(7-9月期のGDP成長率を前期比年率▲1.5%Pt下押すと予想)。25年4月の建築基準法・省エネ法改正によって、省エネ基準の適合義務化や「4号特例」の縮小など、住宅建設や大規模リフォームのコスト増・手続き負担増・工期長期化が生じた。多くの事業者が改正前に着工を前倒ししたことで3月の住宅着工は急増したが、駆け込み需要の反動が生じたことで4-6月期の着工は歴史的な減少となった。この着工減がタイムラグをもって住宅投資に反映されることで、7-9月期の住宅投資は急減するだろう(詳しくは、急減する住宅着工とGDPへの影響 ~法改正前の駆け込みと反動。7-9月期のGDPを大きく押し下げる可能性あり~ | 新家 義貴 | 第一生命経済研究所 をご参照ください)。また、輸出についても、米国向け自動車輸出が弱く、前期比▲1.3%と減少することが見込まれる。

住宅投資の前期比ベースでの落ち込みは一時的なものにとどまる可能性が高いことに加え、輸出についても4-6月期の増加からの反動やサービス輸出減といった面もあるため、7-9月期の成長率の弱さについて過度に悲観視する必要はない。とはいえ、足元では株価の上昇等もあって楽観的な見方が広がっていたことも事実であり、7-9月期の成長率下振れは、この楽観ムードに一石を投じるものとなる可能性がある。株価が好調に推移する一方、実体経済は力強さに欠けていることが改めて確認される結果になるとみられる。
(需要項目ごとの解説は、「2025年7-9月期GDP予測(1次速報) ~住宅投資と外需が足を引っ張り、前期比年率▲2.7%とマイナス成長を予想~ | 新家 義貴 | 第一生命経済研究所」(10月31日発行)をご参照ください)
新家 義貴
本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内容は、第一生命保険ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。