都区部版・日銀基調的インフレ率の試算(2025/10)

~まちまち:基調に大きな変化はみられない~

星野 卓也

目次

図表1
図表1

加重中央値の上昇率が拡大・最頻値は縮小

以前のレポートで試算した①東京都区部版の基調的インフレ率3指標、②日銀が賃金から物価への波及度合いを分析する際に利用した低変動品目CPIについて、本日公表の10月都区部CPIを用いて計算した。

計算値をみると、刈込平均値(全国ウェイト換算)は9月:+2.4%→10月:+2.4%、加重中央値(全国ウェイト換算)は9月:+1.4%→10月:+1.5%、最頻値は9月:+1.6%→10月:+1.5%(いずれも前年比)となった。また、全国版の低変動品目CPIは8月:+1.4%→9月:+1.4%、都区部では9月:+1.9%→10月:+1.8%となった。

都区部の総合指数は9月+2.5%→10月+2.8%へ拡大しているが、これは水道料無償化影響の一巡(9月→10月の寄与度差+0.24%pt)によるものだ。極端な変動を除けば物価の基調は大きく変化しているわけではない。もっとも、日銀の重視しているもう一つの基調的インフレ率である予想インフレ率の上昇は進んでいる(「日銀手法に倣った合成予想インフレ率の推計(2025Q3)」)。市場は12月or来年1月の利上げを見込んでいるが、それを妨げるような内容ではないだろう。

図表2
図表2


(参考文献)

星野(2023)「東京都区部版・日銀基調的インフレ率の試算」第一生命経済研究所 Economic Trends

星野(2024)「日銀の「第二の力」指標を再現してみた」第一生命経済研究所 Economic Trends

川本・中浜・法眼(2015)「消費者物価コア指標とその特性 — 景気変動との関係を中心に —」日銀レビュー・シリーズ、15-J-11

白塚(2015)「消費者物価コア指標のパフォーマンスについて」日銀レビュー・シリーズ、15-J-12

尾崎・神保・八木・吉井(2024)「賃金・物価の相互連関を巡る最近の状況について」日銀レビュー 2024-J-2

星野 卓也


本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内容は、第一生命保険ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。

星野 卓也

ほしの たくや

経済調査部 主席エコノミスト
担当: 日本経済、財政、社会保障、労働諸制度の分析、予測

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