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2025.08.29
日本経済
金融政策・日銀
物価
都区部版・日銀基調的インフレ率の試算(2025/8)
~物価の基調は底堅いが加速しているわけでもない~
星野 卓也

刈込低下、加重中央値と最頻値が若干の加速
以前のレポートで試算した①東京都区部版の基調的インフレ率3指標、②日銀が賃金から物価への波及度合いを分析する際に利用した低変動品目CPIについて、本日公表の8月都区部CPIを用いて計算した。
計算値をみると、刈込平均値(全国ウェイト換算)は7月:+2.3%→8月:+2.2%、加重中央値(全国ウェイト換算)は7月:+1.1%→8月:+1.2%、最頻値は7月:+1.5%→8月:+1.6%(いずれも前年比)となった。また、全国版の低変動品目CPIは6月:+1.3%→7月:+1.3%、都区部では7月:+2.0%→8月:+2.0%となった。
加重中央値、最頻値の上昇率がそれぞれ+0.1pt拡大する一方、刈込平均の鈍化傾向が続いているほか、低変動物価も横ばい圏だ。底堅さはみられる一方、加速感が強まっているわけでもない、といったところ。市場では10月or来年1月の利上げが有力視されている。当初懸念されていた「トランプ関税による物価の基調の鈍化」はこの時点でもみられておらず、この点は利上げのハードルを下げる結果といえよう。

(参考文献)
星野(2023)「東京都区部版・日銀基調的インフレ率の試算」第一生命経済研究所 Economic Trends
星野(2024)「日銀の「第二の力」指標を再現してみた」第一生命経済研究所 Economic Trends
川本・中浜・法眼(2015)「消費者物価コア指標とその特性 — 景気変動との関係を中心に —」日銀レビュー・シリーズ、15-J-11
白塚(2015)「消費者物価コア指標のパフォーマンスについて」日銀レビュー・シリーズ、15-J-12
尾崎・神保・八木・吉井(2024)「賃金・物価の相互連関を巡る最近の状況について」日銀レビュー 2024-J-2
星野 卓也
本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内容は、第一生命保険ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。
- 星野 卓也
ほしの たくや
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経済調査部 主席エコノミスト
担当: 日本経済、財政、社会保障、労働諸制度の分析、予測
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