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- 2025年7月FOMCプレビュー
- 要旨
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- 7月FOMC(7/29~30開催)にてFRBは5会合連続で政策金利を据え置く見通しだ。トランプ関税による実体経済への影響は比較的抑制されているものの、関税政策とその影響を巡る不確実性は高いままであり、FRBは現行の金利水準を維持する「様子見姿勢」を保つとみられる。
- ウォラー理事は7月に利下げしなければ手遅れになる懸念を指摘しており、政策金利の現状維持に反対票を投じる可能性が高い。また、6月時点ではボウマン理事も「インフレ圧力が抑制されたままであれば」7月FOMCで利下げすべきと主張していた。
- パウエル議長は記者会見において、引き続き今後のデータと景気見通しに基づき政策を判断する姿勢を強調するとみられる。また、次回9月FOMC(9/16~17)での利下げの是非を巡り、何らかの布石があるかが注目される。
5会合連続の据え置き
7月FOMC(7/29~30開催)において、FRBは政策金利であるFF金利の誘導目標を5会合連続で4.25~4.50%に据え置く見通しだ。FF金利先物に基づく7/24時点のFedWatchによると、同FOMCにおける金利据え置き予想は97.4%に達している(図表1)。トランプ関税による実体経済への影響は比較的抑制されているものの、関税政策とその影響を巡る不確実性は高いままであり、FRBは現行の金利水準を維持する様子見姿勢を保つとみられ。
足下の経済指標をみると、6月のISM製造業は49.0(5月:48.5)と4か月連続で好不況の節目となる50を下回った一方、ISMサービス業は50.8(同、49.9)と上昇するなど、底堅い推移を示している。一方、6月雇用統計における非農業部門雇用者数は前月差+14.7万人(+14.4万人)と増加したほか、失業率は4.1%(4.2%)と依然低水準で推移している。とはいえ、民間部門に限ると雇用者数は前月差+7.4万人(+13.7万人)の増加に留まるなど、労働市場に軟化の兆しがみられる。この間、6月の食品・エネルギーを除くコアCPIは前月比+0.2%(+0.1%)、短期的なトレンドを示す3か月前比年率は+2.4%(+1.7%)と加速した。関税引き上げによる財コア価格の上昇がみられた一方、サービスを含めたインフレ全体への影響は総じて抑制されている。
なお、7月FOMC2日目である7/30の朝には4~6月期の実質GDP成長率が公表される。7月18日時点のアトランタ連銀によるGDPナウキャストでは、GDP成長率が前期比年率+2.4%(1~3月期実績:-0.5%)とプラス成長に再び回帰すると見込まれている。個人消費が価格上昇前の駆け込み需要を背景に高水準で推移するほか、控除項目である輸入は前期の反動減が現れ表面上の成長率を押し上げる見通しだ。
一部の反対票
6月FOMCの声明文では「経済活動は堅調な拡大を続けている。失業率はここ数か月低水準で安定しており、労働市場は引き続き底堅い。インフレ率は幾分高止まりしている」との従来の景気・物価認識が維持された。7月FOMCの声明文においても、内容の変更は限定的に留まる可能性が高い。
一方、政策金利の据え置き判断を巡っては反対票が出る可能性が高い。7/17、ウォラー理事は3つの理由から7月利下げの必要性に言及した。具体的には「関税はあくまで一時的な価格上昇であること」、「景気は軟化しているほか、インフレは関税の影響を除けば2%をやや上回るのみであるため、金利を中立水準まで下げるのが望ましいこと」、「ベンチマーク改定(9月に暫定値の公表)を踏まえた雇用者数は失速しており、他のデータも労働市場の下振れリスクの増大を示唆していること」を指摘した。そのうえで「9月や年末まで待つことで遅れを取るリスクがある」と述べており、同氏は7月FOMCで利下げを主張するだろう。他方、6/23にボウマン理事は「インフレ率が引き続き良好に推移し、上昇圧力が財価格のみに限定される」、或いは「支出鈍化が労働市場に波及する兆しを示す」場合、7月FOMCで利下げを支持する可能性を示唆している。同発言後に公表された6月CPIにおいて、広範なインフレ圧力は確認されておらず、ボウマン理事もウォラー理事の利下げ提案に賛同するかもしれない。
パウエル議長は記者会見において、引き続き今後のデータと景気見通しに基づき政策を判断する姿勢を強調するとみられる。現時点の米国経済は堅調さを保っているものの、引き続き関税政策とその影響を巡る不確実性が高く、今後の小売価格への波及や消費行動の変化を注視することを強調するだろう。7/1、パウエル議長は「(経済が堅調である限り)賢明なのは待つこと」と述べるなど、早期の利下げに慎重な姿勢を示している。
なお、トランプ政権はFRB本部改修工事の総工費が25億ドルに達することを批判しており、これを巡る問題がパウエル議長を解任する「合理的な理由」に相当する可能性を示唆している。一方、こうした批判に対して、FRBは同工事に関するQ&Aをホームページ上に公開している。同ページでは「昨今インフレや(除去が必要な)アスベストが想定を超えた等により、総工費が膨らんだこと」、「改修による拠点統合で、オフィス賃貸費が将来的に削減できること」、及び「新たなVIPダイニングやVIP用エレベーターはないこと」などを説明するほか、本部改修工事に関するビデオツアーや過去に浸水した際の動画をアップすることを通じて、工事の必要性を訴えている


前田 和馬
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