消費者物価指数(全国・25年6月)

~エネルギー価格は鈍化も、コアコアは底堅い。先行きの物価鈍化ペースにも不透明感~

新家 義貴

要旨
  • 25年6月のCPIコアは前年比+3.3%と、前月(+3.7%)から上昇率が0.4%Pt縮小した(市場予想:+3.3%)。鈍化の主な理由は、①電気・ガス代で、昨年6月に補助縮小により大幅に上昇していた裏が出たこと、②政府によるガソリン・灯油価格定額引き下げの影響が反映されたこと、の二つであり、もっぱらエネルギー価格によるもの。
  • 一方、エネルギー以外のコアコア部分は底堅い動きが続いている。日銀版コア(生鮮食品及びエネルギーを除く総合)は前年比+3.4%(5月:+3.3%)と前月から伸びがやや拡大。米国型コア(食料及びエネルギー除く総合)は前年比+1.6%(5月:+1.6%)と前月から変わらずとなった。相変わらず食料品値上げによる押し上げが大きいが、食料を除いた米国型コアでも加速感こそないものの安定的な動きが続いている。
  • 今月の鈍化はエネルギー価格における前年の裏や政策要因であり、物価の基調に変化がみられるといった内容ではない。物価は底堅い動きが続いているとの評価で良いだろう。
  • 先行きについては、電気・ガス代補助金等の政策要因による押し下げ、輸入物価の下落によるコスト上昇圧力の弱まり、昨年の上昇率が高かったことの裏が出ることによる食料品価格の伸び鈍化、等を理由にCPIの上昇率は鈍化すると予想しているが、リスクは上。
  • 足元の物価については筆者が以前想定していたよりも強く、特に食料品の値上げ幅はかなり大きい。今後の食料品値上げ計画も高水準となっており、企業の値上げ意欲は引き続き旺盛である。コメ価格の動向次第の面はあるが、これまで想定していたよりも食料品価格の鈍化ペースは緩やかなものになるかもしれない。また、足元ではまだサービス価格の上昇率が上振れる状況には至っていないが、人件費増等を理由に今後値上げが増えてくる可能性も否定できない。
  • 現時点では、CPIコアは鈍化が続き、8月に+3%割れ、26年初に+2%割れと予想している。8月の+3%割れについては固そうだが、+2%割れのタイミングについては微妙なところだ。今後の動向次第では鈍化のペースが想定よりも緩やかになり、+2%割れのタイミングが後ずれすることも十分考えられる状況。

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新家 義貴


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新家 義貴

しんけ よしき

経済調査部・シニアエグゼクティブエコノミスト
担当: 日本経済短期予測

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