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2025.05.16
日本経済
日本経済見通し
景気全般
景気指標(日本)
2025年1-3月期GDP(1次速報値)
~牽引役不在の状況のなか、今後はトランプ関税の悪影響が顕在化~
新家 義貴
- 要旨
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- 2025年1-3月期の実質GDP成長率は前期比年率▲0.7% と、4四半期ぶりのマイナス成長となった。輸出が減少した上、個人消費が横ばいにとどまるなど内外需とも力強さに欠け、トランプ関税の本格発動前の段階でも日本経済が牽引役不在の状況にあることが示されている。4-6月期以降は関税引き上げが実行に移されるなか輸出等の下振れが予想されるが、そうしたショックに日本経済が耐えられるだけの体力があるのか、先行きに不安を残す結果である。
- 1-3月期は、輸出が前期比▲0.6%と減少したことに加え、前期からの反動もあって輸入が大幅に増加したことで外需寄与度が大幅マイナスとなり、成長率を大きく押し下げた。内需については増加したが、外需のマイナスを補うには至っていない。その内需についても、在庫投資による押し上げが大きいことに加え、個人消費も前期比横ばいにとどまるなど力強さに欠ける。なお、個人消費は、基礎統計の一つであるサービス産業動態統計による攪乱の影響で実勢よりも押し上げられている可能性が高く 、この要因がなければ個人消費は減少していたとみられる。食料品を中心に1-3月期に物価が上振れたことで実質賃金は減少に転じており、個人消費は弱い動きとなっている。
- このように内外需とも力強さはなく、日本経済が牽引役不在の状況にあることは変わっていない。24年10-12月期のプラス成長からの反動の面もあり、均してみれば日本経済は緩やかな回復傾向が続いているとの評価で良いと思われるが、その足取りは鈍いものにとどまっている。
- こうした状況下、4-6月期以降はトランプ関税の悪影響が徐々に顕在化することが予想される。相互関税の上乗せ分は一時停止されたものの、基本税率分の10%については賦課されていることに加え、自動車等の品目別関税は25%が維持されている。駆け込み分の反動も加わり、自動車を中心として対米輸出は今後減少する可能性が高いだろう。世界経済の減速が見込まれるなか、米国向け以外についても多くは見込めず、輸出は当面弱い動きになる可能性が高い。また、関税を巡る状況が目まぐるしく変化するなか先行き不透明感が著しく強まっていることが、国内外での設備投資の手控えにつながる可能性もあるだろう。
- こうした下押し圧力の増大を、賃上げを背景とした個人消費の増加によってカバーできれば良いのだが、現実には望み薄だろう。春闘賃上げ率は昨年をやや上回る高い伸びになったとみられるものの、食料品を中心とした物価上昇はそれ以上であり、実質賃金は4-6月期も減少が続くことが予想される。物価高騰による生活苦にトランプ関税への不安も加わったことで消費者マインドも急低下しており、個人消費は当面停滞感の強い状態が続くとみられる。
- このように、もともと個人消費を中心とした内需に力強さが欠けるところに関税引き上げによる悪影響が顕在化することで、景気の停滞感は一段と強まる見込みである。現時点では4-6月期のGDP成長率はゼロ近傍を想定しているが、2四半期連続のマイナス成長となる可能性も十分あるだろう。先行き、景気腰折れまではメインシナリオとして予想してはいないものの、関税問題による下押し度合い次第では景気後退局面入りとなる可能性も否定できない状況である。
図表を含めた全文はpdfファイルをご参照ください。
新家 義貴
本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内容は、第一生命保険ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。