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2024.10.31
日本経済
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景気指標(日本)
2024年7-9月期GDP予測(1次速報)
~小幅プラス成長を予想も、回復感には乏しい~
新家 義貴
2四半期連続プラス成長も、回復感に欠ける
11月15日に公表される2024年7-9月期の実質GDP成長率を前期比年率+0.6%(前期比+0.1%)と予測する※。2四半期連続のプラス成長を見込むが、プラス幅は小さなものにとどまるだろう。10月上旬時点のエコノミストコンセンサス(ESPフォーキャストにおける平均値:前期比年率+1.64%)も下回るとみられる。
今回のプラス成長に寄与するのは個人消費と輸出とみられる。もっとも、個人消費は前期比+0.3%と小幅な伸びにとどまるとみられ、力強さには欠ける。台風の襲来や地震への警戒といった下押しはあったにせよ、7-9月期は定額減税による消費押し上げが期待されていただけに、物足りなさは残る。賃金の持ち直しはプラス材料だが、物価上昇が続くなか、消費意欲が明確に持ち直すには至っていない。また、輸出は2四半期連続でプラスになるとみられるが、海外経済に停滞感が残るなか、その持続性には疑問符が付く。期待されていた設備投資も伸び悩むとみられるなど、全体的にぱっとしない。実質GDPは2四半期連続のプラス成長で、前年比でも3四半期ぶりにプラスに転じるとみられるなど、景気は持ち直していると言ってよいだろう。ただ、そのペースはあくまで緩やかなものにとどまっており、回復感には乏しい状況である。
先行きも景気の緩やかな持ち直しは続くが、回復ペースはやはり緩やかなものにとどまると見ている。実質賃金がプラス圏で推移することは好材料だが、物価の高止まりが続くことの影響で増加幅は抑制される。また、消費者マインドの停滞が続いていることや、これまで貯蓄を抑制しながら消費水準を維持してきたことの反動もあり、実質賃金の増加分の多くは貯蓄に回る可能性があるだろう。定額減税による一時的な押し上げ分の剥落が10-12月期以降に生じることもあり、消費の持ち直し度合いは限定的なものにとどまる可能性が高い。また、外需についても、海外経済の減速が予想されるなか、緩やかな増加にとどまる公算が大きい。強い牽引役に欠けるなか、景気に加速感が出るには至らないとみている。
需要項目別の動向
個人消費は前期比+0.3%と2四半期連続の増加を予想する。供給制約の緩和により乗用車販売が持ち直したことで耐久財消費が増加したほか、台風や地震に備えた買いだめが広がったことで食料等の非耐久財消費も増加した一方、台風、地震への警戒からサービス消費が伸び悩んだとみられる。個人消費は前期に続いて増加が予想されるが、定額減税の実施により所得が大きく押し上げられた割には控え目な伸びにとどまった印象を受ける。台風・地震によるサービス消費の抑制といった悪材料はあったとはいえ、物足りない。実質賃金がプラスに転じるなど消費を取り巻く環境は改善に向かってはいるが、物価上昇が続くなか、消費意欲が明確に持ち直すには至っていない。
設備投資は前期比▲0.1%と微減を予想する。2四半期ぶりの減少が見込まれるが、前年比ではプラスが続いており、均してみれば緩やかな増加傾向といってよいだろう。なお、今期については、台風による工場の操業停止によって一部押し下げられた可能性もある。先行きについても、好調な企業収益を背景として緩やかな増加傾向で推移する可能性が高い。研究開発投資や脱炭素関連投資、デジタル・省力化投資などによる押し上げも期待できるだろう。
輸出は前期比+2.3%と2四半期連続の増加を予想する。中国向けの停滞が続いている一方、前期の減少の反動からEU向けが持ち直したほか、NIEs向けが大幅に増加した。財別では、世界的なIT需要の増加を背景としてIT関連財輸出の持ち直しが目立つ。なお、これまで輸出の押し上げ要因になっていたインバウンド需要(非居住者家計の国内での直接購入)については前期比で減少が見込まれ、輸出の押し下げに寄与する見込みである。これまでの急増の反動のほか、台風、地震等の影響もあった可能性がある。一方、輸入についても前期比+2.2%と2四半期連続で増加が見込まれる。輸出、輸入とも増加したことから、外需寄与度はほぼゼロと、成長率にはニュートラルだったとみられる。
その他の需要項目では、公共投資が前期比▲0.9%と減少に転じたと予想する。4-6月期に大幅に増加していた反動の要因が大きいとみられる。また、住宅投資も前期比▲0.6%と小幅減を予想する。先行指標である住宅着工は低調に推移しており、GDPベースの住宅投資も先行き停滞が続く可能性が高い。

※10月31日時点で入手可能な経済指標を元に作成している。国際収支や家計調査等、今後公表される経済指標の結果を踏まえて予測値を修正する可能性がある。
新家 義貴
本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内容は、第一生命保険ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。