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2024.08.30
日本経済
金融政策・日銀
物価
都区部版・日銀基調的インフレ率の試算(2024/08)
~依然としてディスインフレ圧力が優勢~
星野 卓也

- 刈込平均上昇の一方、低変動品目CPIや最頻値の伸びが低下
以前のレポートで試算した①東京都区部版の基調的インフレ率3指標、②日銀が賃金から物価への波及度合いを分析する際に利用した低変動品目CPIについて、本日公表の8月都区部CPIを用いて計算した。
計算値を見ると、刈込平均値(全国ウェイト換算)は7月:+2.0%→8月:+2.1%、加重中央値(全国ウェイト換算)は7月:+0.7%→8月:+0.7%、最頻値は7月:+1.5%→8月:+1.4%、低変動品目CPIは7月+1.3%→8月:+1.2%となった(いずれも前年比)。今回の都区部CPI、総務省発表のコアコア(生鮮エネルギー除く)が市場予想を上振れるなど第一印象は強い内容であったが、筆者試算値は依然として伸び悩みの色彩が強い。
特に、低変動品目CPIの伸び率が切り下がった点には注目しておきたい。当指標は日銀が「賃金と物価の相互連関」を示す指標として分析したものであり、直近の日銀WP(福永・法眼・上野(2024))でも紹介されている。同WPでは2024Q1まで伸び率が高まっていくデータが示されているが、それ以降の値は横ばい、どちらかといえば伸び率を鈍化させる方向にある模様。足もとの内需の伸び悩みが価格転嫁の勢いを鈍らせ、賃金→物価の波及が加速していない様子を映していると考えられる。

(参考文献)
星野(2023)「東京都区部版・日銀基調的インフレ率の試算」第一生命経済研究所 Economic Trends
星野(2024)「日銀の「第二の力」指標を再現してみた」第一生命経済研究所 Economic Trends
川本・中浜・法眼(2015)「消費者物価コア指標とその特性 — 景気変動との関係を中心に —」日銀レビュー・シリーズ、15-J-11
白塚(2015)「消費者物価コア指標のパフォーマンスについて」日銀レビュー・シリーズ、15-J-12
尾崎・神保・八木・吉井(2024)「賃金・物価の相互連関を巡る最近の状況について」日銀レビュー 2024-J-2
星野 卓也
本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内容は、第一生命保険ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。
- 星野 卓也
ほしの たくや
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経済調査部 主席エコノミスト
担当: 日本経済、財政、社会保障、労働諸制度の分析、予測
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