2024~2025年度日本経済見通し(2024年5月)(2024年1-3月期GDP1次速報後改定)

新家 義貴

最新の見通しは、2024~2025年度日本経済見通し(2024年6月)(2024年1-3月期GDP2次速報後改定)をご覧下さい。

要旨

日本・国内総生産(GDP)成長率予想値
日本・国内総生産(GDP)成長率予想値

  • 実質GDP成長率の見通しは、24年度が+0.5%(24年3月時点予測:+0.3%)、25年度が+1.2%(同+1.2%)である。暦年では2024年が0.0%(同+0.1%)、2025年が+1.3%(同+1.2%)となる。24年1-3月期の実質GDP成長率が前回予測時点での見通しを下振れたことで24年度への成長率のゲタが低下した一方、24年春闘で予想を大きく上回る賃上げが実現し、個人消費持ち直しの確度が上昇したことが押し上げ要因となることで、24年度の成長率見通しを上方修正した。なお、24年度の成長率は23年度から低下するが、これは、23年度はゲタの影響で成長率が押し上げられた一方、24年度は押し下げられていることによるものである。ゲタの影響を除けば23年度よりも24年度が成長率は高いと予想している(ゲタを除いた成長率:23年度+0.2%、24年度+1.1%)。

  • 24年1-3月期の実質GDPは、認証不正問題に伴う自動車減産の影響もあって前期比年率▲2.0%の大幅マイナス成長となったが、4-6月期にはプラス成長に戻る可能性が高い。自動車生産は足元で正常化に向かっており、同期の生産は明確な増加が見込まれる。自動車減産の影響で落ち込んでいた個人消費や輸出等において反発が予想されることから、4-6月期ははっきりとしたプラス成長となる可能性が高い(前期比年率+2.2%を予想)。

  • 24年後半以降も景気の緩やかな持ち直しは継続する。24年春闘では事前の予想を大きく上回る賃上げが実現しており、これが実際の給与に反映されてくる春から夏にかけて賃金上昇率は明確に高まることが予想される。減少が続いてきた実質賃金も24年後半にはプラス転化が見込まれ、個人消費も緩やかに持ち直す。また、製造業部門の下押しが弱まることや底堅い企業収益を背景として設備投資も増加する可能性が高い。これまで景気の足を引っ張ってきた内需に持ち直しの動きが出ることで、景況感も改善に向かうと予想する。23年度は内需の低迷が目立ったが、24年度は内需が持ち直すことで、23年度に比べて内外需のバランスが取れた成長になるだろう。

  • もっとも、物価上昇による実質購買力の抑制が消費の頭を押さえる状況は残る。再エネ賦課金の引き上げや電気代、ガス代の負担軽減策の終了でエネルギー価格が大幅に上昇することに加え、円安によるコスト上昇分の価格転嫁が行われることもあり、物価は当面高止まるだろう。実質賃金はプラス転化するものの、物価上昇の影響で増加幅は抑制される可能性が高い。コロナ禍からのリバウンドも終了したなか、個人消費の回復ペースは緩やかなものにとどまるとみられ、景気に加速感が出るには至らない。

  • 25年度の景気は緩やかな回復を予想する。賃上げ率は24年対比鈍化するものの、物価上昇率も鈍化することで実質賃金はプラスが続き、個人消費は緩やかに増加する。設備投資も製造業部門が持ち直すことに加え、研究開発投資や脱炭素関連投資、デジタル・省力化投資等の押し上げもあり、緩やかに持ち直す。海外経済の持ち直しから輸出が増加することも相まって、景気は緩やかな改善が続くと予想する。

  • 消費者物価指数(生鮮食品除く総合)は24年度が+2.6%(24年3月時点予測:+1.9%)、25年度が+1.7%(同+1.4%)と予想する。前回見通しで想定していなかった再エネ賦課金の引き上げや電気代、ガス代の負担軽減策の終了が決まったことで、エネルギー価格の想定を大きく引き上げた。また、円安が想定以上に進んだことで輸入コストが増加、人件費増分の価格転嫁も一部実施されることでエネルギー以外でも値上げが進むだろう。物価は当面+2%台後半で高止まるとみられ、24年度で見ても+2.6%と高い伸びになることが予想される。

日本経済予想総括表
日本経済予想総括表

図表 実質GDPの見通し(四半期別推移)
図表 実質GDPの見通し(四半期別推移)

【実質GDP成長率の予測(前期比年率、寄与度)】
【実質GDP成長率の予測(前期比年率、寄与度)】

新家 義貴


本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内容は、第一生命保険ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。

新家 義貴

しんけ よしき

経済調査部・シニアエグゼクティブエコノミスト
担当: 日本経済短期予測

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