- HOME
- レポート一覧
- 経済指標レポート(Indicators)
- 2026年1-3月期GDP予測(1次速報)
- Economic Indicators
-
2026.04.30
日本経済
景気全般
景気指標(日本)
2026年1-3月期GDP予測(1次速報)
~前期比年率+2.0%の高成長を予想も、先行きは下押し圧力が強まる見込み~
新家 義貴
内外需とも増加で高成長の可能性大だが、先行きは悪影響が顕在化へ
5月19日に公表される2026年1-3月期の実質GDP成長率を前期比年率+2.0%(前期比+0.5%)と、2四半期連続のプラス成長と予測する 。個人消費や設備投資が小幅とはいえプラスを保ったとみられることに加え、公共投資もはっきり増加するなど、内需は底堅く推移したとみられる。外需についても、アジア向け輸出の増加や米国向け自動車輸出の持ち直し等で輸出が増加に転じるなど、成長率の押し上げ要因になった模様。このように、1-3月期は内外需とも底堅くしたとみられ、潜在成長率を上回る成長が実現したとみられる。イラン情勢の悪化については、3月の中東向け輸出が急減したほか、消費者マインドの悪化などが3月時点で確認できるが、1-3月期の成長率への影響は小さなものにとどまった可能性が高い。
もっとも、先行きはイラン情勢悪化の悪影響が顕在化することが予想される。消費者マインドが足元で大きく悪化していることが次第に消費の頭を押さえる可能性があることに加え、調達難による下押しも生じるとみられる。一部の品目では調達難による受注制限や納期の遅れ、価格上昇や減産といった動きが生じており、景気の下押しになるだろう。現時点では4-6月期の成長率はゼロ近傍の低成長にとどまるとみている。当面、下振れリスクが大きい状況が続くだろう。
需要項目別の動向
個人消費は前期比+0.2%と、緩やかな増加が続いたと予想する。食料品価格の伸びが鈍化していることに加え、政府による電気・ガス代補助金の拡充の影響もあって1-3月期の物価は明確に鈍化、実質賃金もプラス圏に浮上した。こうした実質購買力の改善が消費の支えになったものと思われる。なお、イラン情勢の悪化により3月の消費者マインドは大幅に悪化したが、3月の段階では消費の下振れ等は確認されておらず、1-3月期の成長率に与える影響も限定的だったものとみられる。
設備投資は前期比+0.3%と、25年10-12月期の同+1.3%に続いての増加を予想する。高水準の企業収益が続いていることに加え、デジタル・省力化投資、研究開発投資などによる押し上げもあり、設備投資は均してみれば緩やかな増加傾向が続いていると判断される。ただし、資材価格高や建設コストの上昇が一部で投資抑制要因になっていることには注意が必要。1-3月期の設備投資も、名目では高い伸びが見込まれるが、実質でみれば小幅な伸びにとどまることが予想される。
なお、1-3月期の時点では企業の設備投資意欲に陰りが出ている様子は窺えないが、先行きについては不安が残る。イラン情勢の悪化に伴って一部資材の調達難等が生じており、価格上昇や納期の遅れ、建設工事の工期遅延等が今後生じることが予想される。こうしたことが今後設備投資の抑制要因になる可能性に注意が必要だ。
輸出は前期比+0.9%を予想する。25年7-9月期、10-12月期に2四半期連続で減少していたが、持ち直しに転じたとみられる。3月の中東向け輸出が急減するといった動きはあったが、1-3月期全体でみれば影響は限定的だった。1-3月期は、インバウンド需要は微減になったとみられるが、財輸出、サービス輸出(除くインバウンド)とも増加したとみられる。自動車を中心として米国向けが持ち直したことに加え、中国等のアジア向けも好調に推移した。均してみれば輸出は横ばい圏で推移していると判断される。
一方、輸入は前期比▲0.1%と、小幅ながら3四半期連続の減少が予想される。結果として、外需寄与度は前期比+0.2%Pt(前期比年率+0.7%Pt)と、成長率の押し上げ要因になったと予想される。
住宅投資は前期比+1.0%と増加を見込む。25年4月の建築基準法・省エネ法改正に伴って、駆け込み需要と反動減が生じた。25年7-9月期の住宅投資は、こうした駆け込み需要からの反動減の影響で前期比▲8.4%と急減していたが、10-12月期、26年1-3月期には悪影響が和らぎ、前期比では増加したとみられる。また、公共投資は前期比+2.0%と3四半期ぶりの増加を予想する。基礎統計である建設総合統計で伸びが大きく高まっており、高い伸びになるだろう。

新家 義貴
本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一ライフ資産運用経済研究所が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内容は、第一生命保険ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。
- 新家 義貴
しんけ よしき
-
経済調査部・シニアエグゼクティブエコノミスト
担当: 日本経済短期予測
執筆者の最近のレポート
-
消費者物価指数(全国・2026年3月) ~3月段階で基調の変化なし、それでも拭えない先行き不透明感~
日本経済
新家 義貴
-
2026年・夏のボーナス予測 ~底堅い企業収益を背景に、前年比+2.5%と5年連続の増加を予想~
日本経済
新家 義貴
-
実質賃金はプラス圏に浮上(2026年2月毎月勤労統計) ~実質賃金は改善も、先行きは物価次第~
日本経済
新家 義貴
-
消費者物価指数(東京都区部・2026年3月) ~補助金・原油高・円安が交錯。物価の先行き不透明感は極めて強い~
日本経済
新家 義貴
-
四半期見通し『日本~緩やかな回復を見込むも、原油価格がリスク要因~』(2026年4月号)
日本経済
新家 義貴