【1分解説】インサイダー取引とは?

永原 僚子

インサイダー取引とは、上場会社に関連する未公表の重要事実を、一定の経緯で知った会社関係者や、その情報の伝達を受けた者などが、公表前に当該会社の株式等を売買することをいいます。公開買付け等の実施・中止に関する未公表情報を利用した取引も規制対象です。

例えば、A社が他社と合併することを業務上知った従業員が、公表前にA社株式を購入する場合が該当します。また、A社株式に対する公開買付けの実施を職務上知った関係者が、公表前にA社株式を購入する場合も規制の対象となり得ます。

こうした取引は一般投資家との間に著しい不公平を生じさせ、市場の信頼を損なうため、金融商品取引法で規制されています。証券取引等監視委員会や日本取引所自主規制法人、証券会社等が連携して取引を監視しており、違反すると拘禁刑や罰金、課徴金等の対象となることがあります。

実際に利益が出たかどうかとは関係なく、損失が生じても、法令上の要件を満たせば違反となります。未公表の重要事実を所定の経緯で知った会社関係者や公開買付者等関係者が、他人に利益を得させ、または損失の発生を回避させる目的で、その事実を伝えたり取引を勧めたりする行為も禁止されています。情報の伝達や推奨を受けた者が公表前に実際に取引した場合には、伝達者や推奨者も刑事罰や課徴金の対象となることがあります。

違反の有無は、情報の内容、入手経緯、公表・取引の時期などに基づいて判断されます。

この解説は2026年8月時点の情報に基づいたものです。

永原 僚子


本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一ライフ資産運用経済研究所が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。