【1分解説】成年後見制度の見直しとは?

永原 僚子

成年後見制度とは、認知症や知的障害などによって判断能力が不十分な人の契約や財産管理などを支援する制度です。政府は本人の意思をより尊重する方向で制度の見直しを進めています。2026年4月には、成年後見制度を見直す民法改正案が閣議決定されました。

成年後見制度には法定後見と任意後見の二つがあり、改正案では主に法定後見の見直しが行われました。現行の法定後見制度は、判断能力が不十分になった後に家族などが家庭裁判所に申立てを行い、本人の状況に応じて後見人、保佐人、補助人が選任されます。権限は後見人が最も大きく、補助人が最も限定的です。しかし、原則として利用を途中で終了できないことや、後見人などの権限が強く本人の意思が十分に反映されにくいこと、さらに、弁護士などの専門職が後見人などに選任された場合には継続的な費用負担が生じることなどが課題とされてきました。

こうした点を踏まえ、改正案では、後見および保佐を廃止し、補助に一本化するとともに、必要に応じて利用期間の限定や成年後見人などの解任を可能とするなど、柔軟な制度とする方針が示されています。一方で、新設が予定されている「特定補助」は、特定の重要な財産上の行為について取消権を付与するものですが、本人の意思を過度に制限するおそれがあるとの懸念も指摘されています

この解説は2026年5月時点の情報に基づいたものです。

永原 僚子


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