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【1分解説】社会経済的背景(SES)とは?

鄭 美沙

  音声解説

社会経済的背景(Socio-economic Status、以下SES)とは、個人や集団の社会的および経済的な位置づけを示す指標です。社会経済的地位とも称され、社会学や経済学などの研究で広く活用されています。一般的に、SESは学歴や所得、職業の組み合わせで測定されることが多いです。特に、子どもの学力とSESの関連が重要な課題となっており、保護者の所得など経済資本に加え、教育への関心や学習環境など社会・文化的資本が学力に影響を与えることが指摘されています。実際に、文部科学省が実施する全国学力・学習状況調査では、「家にある本の冊数」をSESの代替指標として分析した結果、低SES層ほど各教科の正答率が低い傾向がみられました。

さらに、SESは子どもの学力のみならず、本人の健康状態や金融リテラシー、生成AIの活用状況など、幅広い側面に影響を及ぼすことが各種研究で示されています。一方で、それらはSESのみによって決定づけられるものではありません。たとえば、学力については、「主体的・対話的で深い学び」に取り組んでいると、低SES層であっても正答率が向上することが報告されており、学校や家庭の工夫によって格差を克服できる可能性が示唆されています。

今後、SESがもたらす格差や不平等の実態を、教育・健康・金融など幅広い分野で把握するとともに、社会包摂につながる介入策を検討・実施することが求められます。

この解説は2026年3月時点の情報に基づいたものです。

鄭 美沙


本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。

鄭 美沙

てい みさ

ライフデザイン研究部 主任研究員
専⾨分野: ライフデザイン・ライフコース、金融リテラシー

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