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【1分解説】ラチェットアップ・メカニズムとは?

田村 洸樹

  音声解説

ラチェットアップ・メカニズムを直訳すると、段階的に上方修正を行う(Rachet-up)仕組み(メカニズム)となりますが、気候変動対策の文脈では、特に各国のパリ協定における目標を、より高い水準へと段階的に引き上げていく仕組みを指します。

このメカニズムは「BTR(隔年透明性報告書)」「GST(グローバル・ストックテイク)」「NDC(国別排出削減目標)」の3ステップから構成されます。

BTRは、各国が2年ごとに発行する報告書で、各国単位での排出削減目標等の進捗状況が評価・報告されます。

GSTは、UNFCCC事務局が5年ごとに実施する評価プロセスで、BTRを基に世界規模での排出削減目標等の進捗状況が評価・報告されます。

NDCは、各国政府が5年ごとに策定する排出削減目標です。BTRとGSTの結果を踏まえ、より高い水準へと段階的に引き上げていくことが期待されます。

便宜上、ラチェットアップ・メカニズムを一般的なPDCA(Plan、Do、Check、Action)サイクルに置き換えた場合、BTRは「Do(実行)」「Check(評価)」、GSTは「Check(評価)」「Action(改善)」、NDCは「Action(改善)」「Plan(計画)」に該当するといえるでしょう。

資料1 ラチェットアップ・メカニズムをPDCAサイクルに当てはめた場合
資料1 ラチェットアップ・メカニズムをPDCAサイクルに当てはめた場合

資料2 「ラチェットアップ・メカニズム」の全体像
資料2 「ラチェットアップ・メカニズム」の全体像

この解説は2024年10月時点の情報に基づいたものです。

田村 洸樹


本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。