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【1分解説】アンアベイテッド(Unabated)とは?

田村 洸樹

  音声解説

アンアベイテッド(Unabated)とは、「削減されていない」または「抑制されていない」という意味で、主に気候変動対策の文脈で使用される用語です。特に、二酸化炭素などの温室効果ガスの排出削減対策が不十分な施設(例えば、十分な対策を講じていない石炭火力発電所)を指す際に用いられます。

アンアベイテッドには、現時点で国際的に統一された定義が存在していませんが、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)や国際エネルギー機関(IEA)などの国際機関がそれぞれ独自の定義を示しています。

IPCCの第6次評価報告書では、化石燃料の採掘から使用までの全過程(ライフサイクル)で温室効果ガスの排出を大幅に削減(少なくとも90%の二酸化炭素の排出削減)できない場合を「アンアベイテッド」としています。一方、IEAのネットゼロ報告書では、排出削減の程度にかかわらず、二酸化炭素の回収・有効利用・貯留技術(CCUS)を導入していない施設での化石燃料の使用はすべて「アンアベイテッド」としています。

各国の気候変動対策の進捗を比較し、世界全体の温室効果ガス削減目標の達成に向けた取り組みを評価するためにも、アンアベイテッドの定義を国際的に統一することは重要だといえます。

この解説は2024年9月時点の情報に基づいたものです。

田村 洸樹


本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。

田村 洸樹

たむら ひろき

総合調査部 主任研究員(~25年3月)
専⾨分野: 国際政策、環境・エネルギー

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