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- 時事雑感(2026年10月号)
日米の金融政策に対する市場の見方が8月以降俄に変わり始めた。景気やインフレを取り巻く環境に大きな変化が出たわけではないが、日本の利上げ期待台頭の背景には、インフレの定着や為替市場における円の下落基調を受けて、低すぎる金利の修正が必要とされている。一方、米国では景気が好調に拡大する中で、FRBの目標を上回るペースで上昇するインフレを抑制するためには、利上げが必要との見方が出ている。
日本では0.25%の利上げで政策金利水準が1.25%になれば、ようやく景気を刺激も抑制もしないと考えられる中立金利水準に入ってくる。景気を刺激する力は喪失するものの、景気を抑制する力は働かないと考えられる。日銀は、日本の中立金利水準を1.1~2.5%程度と試算しており、景気に抑制的な力が生じる金利水準はまだ遠い。一方、FRBは米国の中立金利水準を3.00~3.50%と試算しており、3.50~3.75%となる8月末の水準から0.25%の利上げを行えば、景気を抑制する水準に入ると考えられる。
金融政策の変更が景気に影響するには1~2年程度のタイムラグがあると考えられている。したがって、利上げが直ちに日米の景気に影響を及ぼすとは考えにくい。しかし、景気の先行きを読む金融市場には相応の影響が出る可能性は否定できない。
一般的に、金利の上昇は株価の上昇を抑制し、債券利回りを上昇(債券価格は下落)させ、通貨高圧力を高める。さらに、金利が中立水準を超え、景気を抑制する効果が懸念される事態となれば、株価は下落基調に転じ、債券利回りは長期ゾーンから低下に転じ、通貨価値にも下落圧力が生じる。その点では、0.25%の利上げで政策金利が景気中立水準を超える米国の利上げが、市場の方向性を変えうる力を持つ点に注意が必要だ。
嶌峰 義清
本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一ライフ資産運用経済研究所が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内容は、第一生命保険ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。
- 嶌峰 義清
しまみね よしきよ
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経済調査部 シニア・フェロー
担当: 経済・金融市場全般、地政学
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嶌峰 義清

