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米国:中間選挙アップデート(2026年11月)

~期日前投票でも民主党に勢い~

前田 和馬

要旨
  • 2026年11月の中間選挙において、連邦下院は民主党が優勢だ。予測市場では民主党が過半数を奪取する確率が9割を超える。一般的に中間選挙は政権与党が苦戦する傾向にあるほか、ガソリン等の物価高に対する不満は共和党への逆風となる。Reuters/Ipsosの10月世論調査(22~26日実施)ではトランプ政権の経済政策に対する支持率が25%に留まる。
  • 下院選における選挙区割りの恣意的な変更(ゲリマンダー)により、共和党は最大10議席程度を獲得できるとみられていた。一方、ラテン系有権者などが物価高を背景に共和党支持から離れたため、当初想定の投票傾向が変わり結果への影響は限定的との見方もある。
  • 上院は約3分の1が改選であり、改選議席に共和党地盤の州が多い。しかし、ミシガンやアラスカで民主党が優勢となるほか、テキサス・アイオワ・カンザスなども接戦となっている。特にミシガンで左派候補が勝利する場合、2028年大統領選における民主党の候補者選びにも影響する可能性があろう。また、今後の関税政策の動向を見極めるうえでは、カナダとの貿易が盛んなミシガンやメイン、農業州であるアイオワの選挙結果が注目される。
  • NBC Newsの1日16時時点の集計によると、郵便を含む期日前投票は5,483万人分(24年:同8,838万人)に達する。このうち有権者登録の構成をみると、民主党支持が46%(41%)、共和党支持者が35%(38%)、無党派などが19%(21%)と、民主党が優勢となっている。
  • 劣勢を強いられる共和党は豊富な手元資金を活用し、広告投入などで形勢逆転を図っている。また、一部のトランプ支持者は世論調査に非協力的とみられ、こうした人々の投票率が投票日当日に上がる場合、直前の世論調査と投票結果が乖離する可能性がある。
  • 仮に民主党が上下院で勝利しようとも、米国の経済政策が大きく変わるわけではない。上院審議は過半数のみではフィリバスター(議事妨害)を回避できないほか、トランプ大統領は議会を通過した法案への拒否権を持つ。もっとも、民主党が中間選挙で大勝する場合、トランプ大統領への交渉力が強まり、イラン戦争や社会保障費削減への抑止力となる可能性が高まる(詳細は2026年10月28日付け「米国:民主党勝利で政策は変わるのか?」)。

図表
図表

以 上

前田 和馬


本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一ライフ資産運用経済研究所が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内容は、第一生命保険ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。

前田 和馬

まえだ かずま

経済調査部 主席エコノミスト
担当: 米国経済、世界経済、経済構造分析

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