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2026.10.30
日本経済
金融政策・日銀
物価
都区部版・消費者物価のコア指標(2026/10)
~底堅く推移、日銀は2%到達を表明へ~
星野 卓也

底堅く推移。日銀は基調的物価2%到達を表明へ
本日公表された10月の東京都区部CPIを用いて、日銀が全国CPIを用いて試算している「消費者物価のコア指標」等に準拠する形で、①エネルギー補助金等の政策要因を除いた「特殊要因除く系列」、②東京都区部版の刈込平均、加重中央、最頻値、③日銀が賃金から物価への波及度合いを分析する際に利用した「低変動品目CPI」について計算した。
計算値をみると、生鮮・特殊要因除くは9月:+3.0%→10月:+3.2%、生鮮エネ・特殊要因除くは9月:+3.0%→10月:+2.8%、食料エネ特殊要因除くは9月:+2.7%→10月:+2.6%、刈込平均値(全国ウェイト換算)は9月:+2.3%→10月:+2.4%、加重中央値(全国ウェイト換算)は9月:+2.0%→10月:+1.9%、最頻値は9月:+1.6%→10月:+1.8%となった。また、全国版の低変動品目CPIは8月:+1.3%→9月:+1.4%、都区部では9月:+2.0%→10月:+2.0%となった(以上、いずれも前年比)。
方向感は指標によって分かれたが、全般的に物価の底堅さを確認する内容といって良い。日銀は今日の会合で基調的な物価の2%到達を判断すると報じられている。本稿の特殊要因除く系、分布系指標の強さのほか、予想インフレ率(弊著「合成予想インフレ率の動向(2026Q3)」なども参照)が概ね2%に達したことを根拠にした判断とみられる。今後の金融政策は「2%を目指す」局面から「2%に落ち着ける」局面にシフトすることになる。日銀は基調的インフレ率指標群を「2%を上抜けないか」を確認する指標として重視することになりそうである。
実際の物価は、今後原油価格上昇分の転嫁が進むことで伸び率を高める可能性が高い。食料品や日用品価格を含むナウキャスト社の「日経CPINOW」は直近値で+3.6%(10月27日時点、7日移動平均)と都区部CPI調査時点の10月上中旬の平均(+2.9%)から伸びを高めている。今後、特に重要なのはこの実際物価の上昇が中長期の予想インフレ率に跳ねてくるかどうかである。直近7-9月期の合成予想インフレ率は家計・企業で一服感がみられたが、実際物価の上昇を受けて予想インフレ率への波及がみられるかを日銀は特に注視していくことになるだろう。

星野 卓也
本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一ライフ資産運用経済研究所が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内容は、第一生命保険ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。