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2026.05.28
米国経済
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米国:株式保有別の消費者マインド
~株を持てばインフレでも大丈夫?~
前田 和馬
ガソリン高によるインフレ加速や雇用の低迷を背景に、米国の消費者マインドは低迷が続いている。5月のミシガン大学消費者信頼感指数(確報値)は44.8(4月:49.8)と3か月連続で低下し、統計開始(1952年11月)以降の最低値を更新した。
同消費者信頼感指数は、現況に関する2つの質問と先行きに関する3つの質問の回答結果から算出される。具体的には、現況に関しては「1年前と比べて家計状況は良くなったか、悪くなったか)」と「耐久財の買い替え判断(購入に良い時期か、悪い時期か)」、先行き(期待)に関しては「1年後の家計状況」、「今後12か月間の景気」、「今後5年間の景気」をそれぞれ良くなるか、悪くなるかを尋ねている。
足下の消費者マインドは失業が低水準(4月失業率:4.3%)に留まっているにも関わらず、失業率が10%弱に達していたリーマンショック期よりも悪い。この背景には物価高が大きく影響している。指数の内訳をみると、多くの項目が低迷している一方、全体の指数を過去最低水準まで押し下げているのは「耐久財の買い替え判断」と「1年後の家計状況」の悪化だ。また、現在の家計状況の悪化理由として「高インフレ」を指摘する割合は、2021年後半以降に急上昇し、2026年4月では全体の50%にまで達している。
ミシガン大学消費者信頼感指数は、回答者の株式保有額(投信や年金・退職口座等を含む)に基づく系列も公表している。株式保有額の上位3分の1のグループは、そうではないグループと比べても消費者マインドの悪化が抑制されており、株高による資産効果がインフレによる悪影響を一部抑制しているとみられる(注1)。特に株式保有額上位と株式非保有の家計マインドを比較すると、(2025年4月の相互関税発動後などの)株価の大きな調整局面を除けば、その差は歴史的な高水準に達している。一方、この差に関しても現況と先行きで比較すると、現況指数の違いが両者の差に大きく貢献している。株式保有による資産効果は、インフレに伴う目先の生活苦を和らげるかもしれないが、将来に対する見方まで楽観的になるわけではなさそうだ。

【注釈】
- 株式保有額の上位と高所得者の消費者マインドは連動しており、「高所得かつ株式を多く保有する」家計が一定程度存在しているとみられる。このため、これらの家計で消費者マインドの低下が抑制されている背景として、株高による資産効果に加えて、そもそも高所得のためにインフレによる生活費の圧迫が少ないという影響も考えられる。
前田 和馬
本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一ライフ資産運用経済研究所が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内容は、第一生命保険ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。

